今日の1枚(88)

フィデリオの第2幕です。データ等は昨日の日記をご覧下さい。

第2幕で新たに登場する歌手は、
フロレスタン/ヴォルフガング・ヴントガッセン(テノール)
ドン・フェルナンド/アルフレッド・ペール(バリトン)
第1幕に登場した歌手たちは全て第2幕にも出てきます。

ヴィントガッセンは1914年6月26日生まれのドイツのテノール。録音の時は39歳でした。ウィーン国立歌劇場には1953年から参加。
バイロイト音楽祭は1951年から1971年まで活躍、戦後のヘルデンテノールを代表する歌手でした。戦前のワーグナー歌手に比べると声は遥かに軽く、ヘルデンテノールの常識を変えた人でもあります。フロレスタンはワーグナーを歌う前から得意にしていた役柄。
1974年9月8日にシュトゥットガルトで死去。

ペールについては資料がありません。ブックレットの記載をそんまま転用すると、1900年3月18日にリンツで生まれたバリトン。1940年にウィーン国立歌劇場と契約。モーツァルトのオペラで評価が高かった由。録音の時は53歳、この録音では最年長の歌手。
1968年1月30日、ウィーンで死去。

第2幕の主なポイントは、
第12曲のメロドラマと二重唱 メロドラマでは台本通りの台詞が入ります。
第14曲の四重唱、ファンファーレが響く寸前、オイレンブルク版スコア564ページの1小節目の第3拍にティンパニ(D音)を追加。
また第4場の直前、司法大臣の到着を告げる衛兵とロッコの台詞が入ります。
第15曲のあとに序曲「レオノーレ」第3番を演奏。序曲ではスコアの加筆は一切ありません。ストックホルムでのライヴでは最後にホルンの加筆が聴かれましたが、ここではそれも無し。序奏の激しい fff でも弦の細かい動きがハッキリ聴き取れ、録音の優秀さを如実に示しています。
第16曲フィナーレはインデックスで2部に分かれています。2番目のインデックスは第8場の途中、ピツァロが連行されるところ(625ページ)の休止符のあと。

最後に「フィデリオ」の楽器編成を書いておきましょう。
基本は、フルート2、オーボエ2、クラリネット2、ファゴット2、ホルン4、トランペット2、トロンボーン2、ティンパニ、弦5部。
その他に第6曲と第16曲にはピッコロが、第12曲にはコントラファゴットが加わります。更に第14曲では舞台裏にトランペット。またレオノーレ序曲第3番を演奏する場合には第3トロンボーン(バス)も必要になります。

もう一点、オイレンブルク版のスコアでは、何故か第13曲に相当する三重唱が「第7曲」と表記されています。想像では第1稿や第2稿の位置(表記)をそのまま転載したのではないでしょうか。
この点に関する解説を見たことがありません。何方かご存知ありませんか?

参照楽譜
オイレンブルク No.914

 

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