東京都響・第677回定期演奏会

昨日は珍しく都響の定期演奏会を聴いてきました。サントリーホールでの定期です。
ラヴェル/ピアノ協奏曲
~休憩~
ラヴェル/バレエ音楽「ダフニスとクロエ」全曲
指揮/エリアフ・インバル
ピアノ/横山幸雄
合唱/晋友会(合唱指揮/清水敬一)
コンサートマスター/矢部達哉
私が都響の会員だったのは若杉時代の遥か昔。現在はほとんど聴く機会もありません。今回は都合で行けなくなった友人のピンチヒッターとして出掛けました。
席は2階LA、指揮者やオーケストラを鳥瞰するには良い席ですが、音響的には問題のある場所です。打楽器や金管は派手に聴こえますが、肝心の弦楽器はほとんど聴こえてきません。
ということで、簡単な見聞録。
ザッと見回すと客席は随分埋まっていました。見た目90%近くでしょうか。サントリー定期はいつもこうなのか、インバル故なのかは不明。
現に名前と顔が一致する人を何人も見かけましたから、都響を聴くということはクラシック・ファンのステイタスなんでしょう。
今回気が付きましたが、このオーケストラはメンバーが着席してからコンサートマスターが拍手に迎えられて登場するというスタイルではなく、全員が一斉に登場し、拍手も無くチューニングが始まるのですね。普段よく聴くオケとは少し違います。確かN響も都響スタイルでしたっけ。
インバルは放送などではよく見る(聴く)指揮者ですが、何故か縁が無く、私はナマでは初体験です。
ブルックナー、マーラー、ベルリオーズ、ラヴェル、ショスタコーヴィチなど、いわゆる色物好きの指揮者というイメージが強く、積極的に聴きたいと思うタイプじゃありません。あくまでも私見ですよ。
今日はそのラヴェル特集。
譜面台にスコアを置いて指揮します。
協奏曲は、ピアノが頼りない所為か、12型という編成を落とした演奏。この席ではピアノは聴こえません。
後半は16型のフル編成。良く見るとヴィオラ・セクションにエキストラのあの人の姿も見えます。へぇ~~~~。
メインの「ダフニスとクロエ」は、色彩豊かな音絵巻、華麗なバレエ音楽という演奏ではなく、あくまでもシンフォニックな響きを目標にしているように聴こえました。
インバルが使っているスコアは恐らく特製なのでしょうか、2分冊になっていて、一冊目が第2部頭の「戦いの踊り」まで。ここで汗を拭う休憩が入るので、あたかも2楽章の交響曲のようにも聴こえました。
ア・カペラの合唱も普通に歌わせていましたし、本来なら舞台上という指定のある「夜明け」のフルートやESクラリネットも特に工夫はありません。
(バレエの舞台を意識して、合唱もソロも遠近感を出す工夫を凝らした演奏をいくつか聴いたことがあります)
僅かに第2部冒頭のトランペットとホルンをP席左右に置いて遠近感を出す程度。(私の席では遠くから、ではなく近くで聴こえてしまいますが・・・)
最後は大喝采。拍手がいつまでも鳴り止まないので、会場の照明を明るくして終わりを促します。さすが東京都。

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