レパーズタウンとサン＝クルー

日曜日はアイルランドのレパーズタウン競馬場 Leopardstown でクラシックに向けた二つのトライアル戦が行われました。
先ずは牡馬によるレパーズタウン・２０００ギニー・トライアル・ステークス(ＧⅢ、３歳、１マイル)。牡馬によるとは言っても牝馬にも出走権はありますが、同じ趣向の牝馬戦もありますから、普通は牝馬の参加はありません。
今年も例外ではなく、最終登録は牡馬６頭。このうちボルジャー厩舎がヴォーカライズド Vocalised を取り消しましたので、最終的には５頭で争われました。
断然の１番人気(イーヴン)に押されたのは、前年のデューハースト勝馬でボルジャー師がクラシックを狙うインテンス・フォーカス Intense Focus 。
ところが番狂わせが起きます。一旦先頭に立った本命馬を交わしたのがプレンダーギャスト厩舎のリチャージ Recharge 、９対４の２番人気に押されていた馬です。
２着は１馬身でインテンス・フォーカス、３着には更に２馬身半でオブライエン厩舎のボーン・トゥー・ビー・キング Born To Be King が入りました。
番狂わせと言っても人気馬の１・２着ですから、結果は順当と言うべきでしょうか。
ヘイズ騎乗のリチャージは勝負所で前が塞がる場面もあり、名前の通り一旦控えてリチャージする不利もあったようで、意外に強い馬なのでしょう。２歳時は新馬戦に勝ったあとべレスフォード・ステークスに挑戦してシー・ザ・スターズ Sea The Stars の４着。今期はもちろんこれが初戦でした。
プレンダーギャスト師によると、愛２０００ギニーと愛ダービーを目標にする由。
ボルジャー師もインテンス・フォーカスの敗戦は気にしていません。シーズン初戦ですし、相手も強かった、と満足気。
そのボルジャーさん、直ぐに負けを取り返します。
レパーズタウン・１０００ギニー・トライアル・ステークス(ＧⅢ、３歳牝、７ハロン)は１１頭立てで行われ、ボルジャー厩舎/マニング騎乗の名コンビ・Maoineach が、２着ハート・シェイプト Heart Shaped に１馬身４分の３差をつけて快勝しました。３着は首差でスマート・ココ Smart Coco 。
勝馬、何と読むのか判りません。マオイニーチ、それともモーニーク？　誰か教えてくださいな。
この馬は２歳時にカラーでタワー・ステークス(ＧⅢ)に勝っている馬で、フランスに遠征したマルセル・ブーサック賞はどん尻に敗退していました。
ボルジャーさんによると、フランスの競馬場は芝を刈ってしまうので馬場が固く、マオイニーチには不向きなのだとか。
今日はメタモルフォーシスという名の先導馬に付き添われて登場したそうですが、この先導馬はニュー・アプローチも先導した馬。幸運の予兆でしょうか。
ボルジャー厩舎のギニー候補にはキュイ・ゲール Cuis Ghaire が最有力。こちらはブッツケ本番でニューマーケットに向かうそうです。
Maoineach はニューマーケットを目指すのでしょうか。
２着のハート・シェイプト(オブライエン厩舎/ムルタ騎乗)は去年のブリーダーズカップ・ジュヴェナイル・ターフの２着という実績馬。１・２着は共に７対２の人気でした。
２対１の１番人気に支持されたチンツ Chintz は、先行したものの期待を裏切って６着。
ところ変わってフランスのサン＝クルー競馬場。今年二つ目のパターン・レースが行われました。今年８０回目を迎えるエドモン・ブラン賞(ＧⅢ、４歳上、１マイル)。古馬マイル戦線の開幕ですね。
レース名のエドモン・ブラン Edmond Blanc とはサン＝クルー競馬場の創設者の名で、当時のフランスの有力なオーナー/ブリーダー。１９２０年に亡くなり、その翌年(１９２１年)に彼を記念したレースが創設されたわけです。
今年は１２頭が出走、これまで全て３着以内という堅実なヴェルバ Verba がパターン・レース初制覇を期待されて１番人気(１１対４)に支持されましたが、惜しくも４着。
勝ったのは４１対１０の人気、グリ・ド・グリ Gris De Gris でした。２着は２馬身遅れてアルナダナ Alnadana 、３着は更に１馬身半で２００７年のこのレースの覇者ラシンガー Racinger という結果。
調教師はアラン・ロワイヤー＝デュプレさん、騎手はジェラール・モッセ。モッセ騎手はこのレース、１９９４年のフラッグ・ダウン Flag Down 以来久々の２勝目になります。
なおこのレースにはジャパン Japan という名前の馬が出走していました。どうやらドイツ産馬のようで、日本とは何も関係なさそう。ジャパンは７着で入線しています。