今日の1枚(103)

ドイツ・グラモフォンのフルトヴェングラー、第2弾は2枚組みCDで 457 722-2 です。
シューマンの4番とフルトヴェングラーの2番がカップリングされていて、1枚目のCDにシューマンとフルトヴェングラーの第1楽章、残りが2枚目に収録されています。
ということで今日はシューマンの交響曲第4番二短調作品120。フルトヴェングラー指揮のベルリン・フィルハーモニー管弦楽団。1953年5月、ベルリンのダーレム地区にあるイエス・キリスト教会での録音。
プロデューサーは Wolfgang Lohse 、エンジニアは Alfred Steinke というコンビです。昨日取り上げたシラー/カイルホルツとは別のチームによる録音。
DGは Executive Producer と Recording Producer を区別して記載しているの場合が多いようですが、ローゼは Recording Producer 。
ローゼはベームの録音に常時登場していたプロデューサーです。
シューマンは恐らくフルトヴェングラーの最後のDGスタジオ正規録音。シューベルトやハイドン以上に優れた音質で聴くことができます。
演奏もクラシック中のクラシック。今でも同曲の最高の演奏、フルトヴェングラーのベスト・ディスクに挙げる人もいるほどの名盤。
シューマンの第4は当初「交響的幻想曲」というタイトルで構想された作品で、フルトヴェングラーのロマンティックな演奏スタイルには最も適した音楽です。まるでフルトヴェングラーのために作曲されたかのよう。
第1楽章の繰り返しは実行。
第2楽章中間部の繰り返しも実行。オーボエとユニゾンで演奏するチェロは、多分ソロで演奏しているでしょう。
第3楽章の繰り返し。スケルツォは全て実行し、トリオは後半の繰り返し省略。
第4楽章の繰り返しは省略。
第1楽章のティンパニはいろいろ加筆・改変していて、例えば序奏部第10小節の半ばから14小節までのティンパニを省略していますし、主部提示部の79~82小節も叩かせていません。
その一方で、展開部の118~120小節にはトレモロによるクレッシェンドを加筆しています。
その他随所にティンパニの変更が聴かれますが、一々書くのは煩わしいので省略。
当 The Original シリーズのブックレットは、LP初出のオリジナル・カバーをあしらったデザイン。フルトヴェングラーのものはDG50年代のシンプルなもの。
盤のレーベルは、DGの看板であるイエロー・レーベルにチューリップ。このデザインは1949年から使われたもので、デザイナーはゲアハルト・ノアック。チューリップの数は初期は17本、後に23本に増えています。
フルトヴェングラー盤は17本時代のもの。
参照楽譜
オイレンブルク No.413

 

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