ロジユニヴァースの牝系

昨日は知人の新築祝いに出掛けていて、未だに日本ダービーの映像を見ていません。マスコミはネオユニバースとの父子制覇が見出しのようですが、天邪鬼の私は牝系に付いて検証してみたいと思います。
ロジユニヴァースについては、皐月賞回顧でアンライバルドに関連した日記でも簡単に触れました。いわゆるサラ系に属する牝系という話ですね。ここではもう少し詳しく。先ずはダービー馬の5代血統表です。↓
http://www.pedigreequery.com/logi+universe
ファミリー・テーブルの分類で言うと、これはB3号族に入ります。ぺリオン・メア Perion Mare (1837) という牝馬にまで遡ることが可能で、始祖から数えて8代目に登場するヴァーディクト Verdict という牝馬が初めてイギリス競馬界で大きなレースに勝ちます。
ヴァーディクト(1920)は父ショーグン Shogun 、母フィナーレ Finale という血統。母はもちろん、父もジェネラル・スタッド・ブックに記載されない Non-Thoroughbred (日本で言う「サラ系」のこと)なのです。日本の「将軍」というネーミングにも注目ですね。
このヴァーディクト、競馬の権威筋を逆撫でするように、ケンブリッジシャー・ハンデでフランスの強豪エピナール Epinard を破り、コロネーション・カップにも勝って繁殖に入ります。
ここでもオーソリティーの期待に反し、名牝クァシェッド Quashed から延々と血脈を繋いできました。
そして遂にロジユニヴァースの6代母ルーカスランド Lucasland とその半弟ソー・ブレスド So Blessed の活躍により、漸く1969年にジェネラル・スタッド・ブックに記載される牝系に「昇格」したのですね。
ジェネラル・スタッド・ブック General Stud Book とは現在でも4年に一度出版される英国の繁殖牝馬の経歴書。「血統書」と呼ばれる資料ですね。ここに記載されている「ファミリー」だけがサラブレッドとして公認されているのです。
もちろん実際のレースではそれ以外のものも走りますが、英国競馬は権威の象徴のようなもの。サラブレッドとサラ系とでは一段の階級が違うと考えればよいでしょうか。
ヴァーディクト・ファミリーの存在感を決定的にしたのが、ロジユニヴァースの3代母ソニック・レディー Sonic Lady 。5代血統表のソニック・レディーをクリックすればお判りの通り、愛1000ギニーでクラシック馬の仲間入りを果たし、1マイルの距離でヨーロッパ・チャンピオンの座を不動のものとしました。
この辺で充分でしょう。ソニック・レディーは残念ながら事故で比較的早く亡くなってしまいましたが、娘ソニンケ Soninke が日本に輸入されてアコースティクスを産み、今年のダービー馬ロジユニヴァースの母になりました。
私の記憶では、いわゆる「サラ系」が日本ダービーを制したのは1958年のダイゴホマレ、1971年のヒカルイマイに続いて3頭目。
1969年、ダイシンボルガードのダービーで1番人気に支持された「サラ系」タカツバキがスタート直後落馬した悪夢を思い出しています。
いずれにしてもヴァーディクト・ファミリーの末裔ロジユニヴァースが頂点に立ったこと、快挙と称えて良いでしょう。

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