無敗のゴールド・カップ候補
日曜日、アイルランドのネイヴァン競馬場でヴィンテージ・クロップ・ステークス Vintage Crop S (GⅢ、4歳上、1マイル6ハロン)が行われました。日本の競馬ファンにはほとんど関心を持たれそうにはありませんが、来るロイヤル・アスコットの名物でもあるゴールド・カップを占うには欠かせない一戦です。
もし将来日本の馬がゴールド・カップに挑戦するようなことがあり、日本でも馬券が買えるようになったとすれば、ヨーロッパの長距離馬がどんなメンバーなのかを知る上では見逃せないレースでもありましょう。
馬場は yielding 、所により good to yielding に8頭立て。去年10月に行われたアスコットのチャンピオン・シリーズで、ロング・ディスタンス・カップ(GⅡ)を快勝して突如ステイヤー部門の第一戦に名乗りを上げたフォーゴットゥン・ルールズ Forgotten Rules が、GⅡペナルティー5ポンドを負担しているにも拘わらず8対11の1番人気。
相手も長距離のリステッド戦を2連勝、しかも今期既に一戦を経験して仕上がりも一歩先を行くアンサード Answered (9対4、2番人気)と目されていました。エイダン・オブライエン厩舎は去年の愛ダービー2着うまキングフィッシャー Kingfisher を参戦させてきましたが、この馬もゴールド・カップのオッズ対象に上がっているステイヤーです。
レースはブービー人気(50対1)の伏兵サー・エクター Sir Ector が逃げましたが、やはり最後は3番手の内を進んだフォーゴットゥン・ルールズと4番手追走のアンサードの争いになり、実績の勝るフォーゴットゥン・ルールズがライヴァルに1馬身4分の1差を付けて優勝。休み明けもペナルティーも克服して人気に応えました。逃げたサー・エクターが4馬身4分の3差で3着に粘り、キングフィッシャーは逃げ馬も捉え切れず4着敗退。
デルモット・ウェルド厩舎、パット・スマーレン騎乗のフォーゴットゥン・ルールズは、これで4戦4勝。無傷のままゴールド・カップに挑戦することになるという珍しいケースの5歳馬で、そのオッズはレース前の3対1(この時点でも本命)から更に5対2へと上昇しました。一方2着のアンサードも20対1から16対1に上がり、キングフィッシャーは逆に14対1から20対1に下降しています。
同じ長距離の天皇賞・春は、感覚的には絶好のゴールド・カップ・トライアルになると思われますが、例えばゴールドシップ陣営にその可能性を検討する勇気はないのでしょうか? ステイヤーにとっては凱旋門賞より余程現実味があると思いますが、どうでしょうか?
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