シャンティーとハンブルグ

昨日の日曜日はシャンティー競馬場でGⅠ競走が行われています。3歳の1マイル戦、ジャン・プラ賞(GⅠ、3歳、1600メートル)。
ジャン・プラ賞なるものは昔は2種類あって、時々混乱を招いていました。現在では3歳馬のみによるこのレースだけが残ってスッキリした感があります。
3歳の1マイルということで仏2000ギニーの再戦という趣がありますが、むしろロイヤル・アスコットのセント・ジェームス・パレス・ステークスのフランス版と見た方が判り易いかも。
地元フランス勢はもちろん、イギリス、アイルランド、ドイツからの参戦もあって国際的な舞台になりました。9頭立て。
1番人気はアイルランド、オブライエン厩舎のウェストファリア Westphalia で21対10。これはフランスでのオッズです。
騎乗停止中のムルタに替わり、エクリプス(リップ・ヴァン・ウィンクル)同様ジミー・フォーチュンが騎乗しました。
しかしウェストファリアは伸び切れず5着敗退。勝ったのはイギリスから遠征したロード・シャナキル Lord Shanakill 。逃げるミラネー Milanais をマークして抜け出すタイミングが絶妙でした。
2着には後方からオワゾ・ド・フ Oiseau De Feu が強烈に追い込みましたが頭差及ばず。3着に半馬身でドイツ2000ギニー馬イリアン Irian の順。英仏独の着順になっています。
英国馬がジャン・プラを制したのは2001年のオールデン・タイムス Olden Times 以来。調教師カール・バーク、騎手ジム・クロウリーにとってこのレース初勝利、バーク調教師がGⅠに勝ったのもこれが初めてのことです。
ロード・シャナキルは2歳時にデューハーストで惜敗。今シーズンは2000ギニーが初戦で惨敗、アスコットのセント・ジェームス・パレス3着で復調をアピールしていました。今シーズンは3戦全てがGⅠ、今後のマイル路線の主役の1頭に躍り出ました。
バーク師、この日はボア賞(GⅢ、2歳、1000メートル)にも有力馬を送り込み、1番人気に支持されていました。
エプサムでウッドコート・ステークスに勝ったコーポラル・マドックス Corporal Maddox は残念ながら3着に敗退。
フランス最初の2歳馬パターン・レース、8頭立てを制したのはドールド・アップ Dolled Up 。2着に1馬身でシャンティー・クレーム Chantilly Creme 、コーポラル・マドックスは4分の3及ばず3着。
ドールド・アップはロベール・コレ厩舎、コレ師にとってはこれが今シーズン最初のパターン勝ちとなります。
騎乗したのはペリエ騎手。コレ師、ペリエ騎手共にボア賞は5勝目。
この日のもう一鞍、クロエ賞(GⅢ、3歳牝、1800メートル)は度々条件や競馬場が変わるレース。今年はシャンティーで行われました。
当初10頭立てでしたが、本命視されていたアーティクル・レア Article Rare がスタートでゲートインを嫌って発走除外。レースの興味は半減した感があります。
結果は混戦、ゴール前も大混戦で3頭が並んでゴール。写真判定の結果、1着はウィルサイド Wilside 、2着は頭差でワン・クレヴァー・キャット One Clever Cat 、3着に首差でデノミネーション Denomination の順。
勝馬の調教師はミケル・デルザングル。ウィルサイドは師の祖母が馬主というファミリー・ヴィクトリーです。
騎乗したオリヴィエ・ペリエは、ボア賞に続くGⅢダブル達成。
さて日曜日はドイツのハンブルク競馬場でドイツ・ダービーが行われました。1世紀半の歴史があるダービー、17頭立て。
1番人気のスエスタド Suestado が14着に惨敗し、ヴィーナー・ヴァルツァー Wiener Walzer という馬が2着以下に1馬身4分の1差を付けて勝っています。
生産者ゲシュトゥート・シュレンデランにとっては18頭目のドイツ・ダービー。牧場のオーナーであるウルマン男爵は先月亡くなったばかりですが、男爵への餞になった形。
ヴィーナー・ヴァルツァーの調教師はイエンス・ヒルシェンベルガーさん。一昨年に続く2勝目です。
その一昨年も勝利騎手になっているフレデリック・ヨハンソン騎手。スウェーデン出身のジョッキーで、今回の騎乗もその巧みなレース判断が絶賛されていました。

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