09ジュライ・ミーティング2日目

昨日も紹介したように、木曜日には今年から格上げされてGⅢにランクされた重賞が行われました。バーレーン・トロフィー(GⅢ、3歳、1マイル5ハロン)。3歳馬のみによる長距離戦ということで、秋のセントレジャーへ向けてのステップ・レースとしての位置付けになるでしょうか。
実際、セントレジャーでも主力の1頭になりそうな馬が誕生しました。
8頭立て。ダービーは9着ながら潜在能力が期待されていたカイト・ウッド Kite Wood が2対1の1番人気を集め、2着以下に2馬身半差を付けて楽勝しています。
2着はアスコットのクィーンズ・ヴェイズで4着だったタクティック Tactic 、3着は更に4馬身半の差が付いてアバヴ・アヴェレッジ Above Average 。
勝馬の馬主はシェイク・モハメッド殿下。セントレジャーは2004年のルール・オブ・ロウ Rule of Law で制していますから、もし勝てば5年ぶりのことになります。
実はカイト・ウッド、この冬にマイケル・ジャーヴィス厩舎に所属していたところを、かなりの高額でトレードした馬。これまではその金額に見合った成績を残せませんでしたが、漸く本格化してきたようです。秋から来年にかけてがこの馬の活躍時期になるでしょう。
セントレジャーには12対1のオッズが提示されました。
調教師はもちろんゴドルフィンのスロール師、絶妙なペースで逃げ切りを決めたデットーリ騎手との黄金コンビです。
デットーリはこの日、バーレーンを含めて3勝でトレブル達成。
続いて2歳馬によるジュライ・ステークス(GⅡ、2歳、6ハロン)。ここには11頭が揃い、アスコットからはノーフォーク出走馬が4頭、コヴェントリー組は1頭、新興勢力が6頭という内訳。
勝ったのは新興組で、7対4の1番人気を集めたアルカーノ Arcano が4分の3で優勝。2着も新興勢力のオープン・グレイ Orpen Grey 、3着に3馬身遅れてコヴェントリー7着のレッド・ジャズ Red Jazz が入線しています。
アルカーノはニューバリーでデビュー勝ちしてこれが2戦目。2戦2勝の成績となりました。
逃げてしぶとく粘るオープン・グレイをゴール前で捉えましたが、まだまだ若い馬、1マイルのスタミナを試すのはこれからです。
調教師はブライアン・ミーハム、騎手はマーティン・ダイヤーでした。
この日三つ目のパターン・レースはプリンセス・オブ・ウェールズ・ステークス(GⅡ、3歳上、1マイル4ハロン)。9頭立て。
これはやや荒れたレースになりました。結果は、8対1とやや人気を落としていたドクター・フレマントル Doctor Fremantle が優勝、首差2着がアルワーリー Alwaary 、3着が半馬身でシアパレルリ Schiaparelli ということになっています。
しかしこれは裁決の結果で、実際は逃げたシアパレルリがゴール前1ハロンでよれ、アルワーリーの進路を妨害。ゴール板を2着で通過したシアパレルリが3着に降着されています。
これによりシアパレルリに騎乗したテッド・ダンカン騎手は4日間の騎乗停止処分。
更に4着で入線したエンローラー Enroller のマーティン・ダイヤー(ジュライ・ステークスに勝った騎手)もラフな競馬で6着降着、3日間の騎乗停止処分が下されました。
こうしたゴチャゴチャもあって、1番人気(2対1)に支持されたダンカン Duncan は9着しんがり負け。2番人気のカンパノロジスト Campanologist も8着と大荒れです。
ドクター・フレマントルは去年のダービー4着馬。前走ロイヤル・アスコットはハードウィックで不可解な7着に敗退して人気を落としていました。
しかしこれで今シーズンは3戦2勝。既にGⅡとⅢを制した馬ですから、当然ながら次はGⅠ狙いでしょう。
サー・マイケル・スタウト調教師は、これでこのレース7勝目。騎乗はもちろんムーア、スタートが悪いドクターの癖を熟知した好騎乗でした。
ドイツ・ダービーを含めてドイツのGⅠに3勝しているシアパレリル、この日は前年の凱旋門賞以来のレースということで最後にふらつきましたが、それを考慮すれば好走と言えるでしょう。今年も最終目標は凱旋門でしょうか。
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