ナタゴラは3着

昨日の日記で予告したように、日曜日のドーヴィル競馬場でロッシルド賞 Prix Rothschild が行われました。去年まではアスタルテ賞 Prix d’Astarte と称されていたレースです。
アスタルテ賞は1929年創設、フランスの牝馬のためのレースに多い、女神の名前を冠したレースでした(ディアーヌ賞、ミネルヴァ賞など)。それが今年から改名。Rothschild は英語読みの「ロスチャイルド」の方が通りが良いかも知れませんが、ここでは敢えてフランス語風に「ロッシルド」と表記しておきます。
フランス競馬界にとってロッシルド家は大きな意味があり、ファミリーが1873年に取得したモトリー牧場 Haras de Meautry は、ドーヴィル近郊の大馬産拠点。ドーヴィルこそはヨーロッパでも屈指の馬産地なのですね。
旧アスタルテ賞はパターン・システム創設当初(1971年)はGⅢでしたが、1982年にⅡに格上げ、更に2004年からはGⅠステータスで行われています。
で、今年のレース。
ロッシルド賞(GⅠ、3歳上牝、1600メートル)は9頭立て、古馬3頭対3歳6頭という内訳。
古馬勢では去年の仏1000ギニーとこのアスタルテを制したダージナ Darjina がエース格。今年はGⅠに2着続き(イスパハン賞、クイーン・アン・ステークス)ですが、堅実。サバナ・ペルディダ Sabana Perdida もロイヤル・アスコットでウィンザー・フォレスト・ステークスを勝って好調です。
一方の3歳軍団、1000ギニー馬で仏ダービーに果敢に挑戦、3着に終わったものの人気のある芦毛ナタゴラ Natagora がダービー以来の姿を現しました。
ロイヤル・アスコットでフォールマス・ステークスを制したナフード Nahoodh 、仏1000ギニー2着で仏オークス3着といずれもザルカヴァの後塵を拝したゴールディコヴァ Goldikova 、ドイツ1000ギニー勝馬のブリセイダ Briseida など、GⅠに相応しいメンバーが揃いました。
7対4で1番人気に推されたナタゴラ、今日は気分良く走れなかったようで、先行したものの失速し3着に敗退。同じ3歳からゴールディコヴァがペリエ騎乗で抜け出し、後方から追い上げたダージナを振り切って優勝しました。
調教師ヘッド氏にとってこれが今シーズンのGⅠ3勝目。マルシャン・ドール(ジュライ・カップ)、タマヤズ(ジャン・プラ賞)に続く快挙です。夏男ヘッドという感じでしょうか。
ロワイヤー=デュプレの2頭(ザルカヴァとサバナ・ペルディダ)にとってはドーヴィル・コースの散水方針に不満があるようで、一時は出走取り消しを匂わせた由。このレースも、やや重くなった馬場が敗因という見方も出ているようです。

 

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