皐月賞の再現か、英2000ギニー
イギリス最初のクラシック、2000ギニーの結果が入ってきました。
実は昨日はネット中継ライブ・ブログでリアルタイムにクラシック・レースを観戦し、ギニーが終わったところで就寝。多少寝不足気味のメリーウイロウです。
今朝も映像を何度も見直しましたが、事前の予想以上に見応えのある2000ギニーでしたね。
成績書を再検討すると、出走馬中にGⅠ馬が1頭しかいない(マスタークラフツマン)とか、無敗馬が1頭もいないなど、例年に比べてややレヴェルが落ちるのではないかと指摘する向きもありました。
しかし結果を見るとさすがにクラシック・レース、走るべき馬が走った、馬の実力がそのまま結果に繋がる好レースという感想です。
当初登録の17頭からオン・アワ・ウェイとザフィシオが取り消し、15頭立てで行われました。馬場状態がやや固かったことが理由のようです。
(詳しい出走馬等は5月1日の日記参照)
やはり1番人気はクレイヴァンを鮮やかに制したデレゲイターで、3対1。15番枠を引いたため、スタンドから遠い外を中団で進みます。
本命馬とは反対に1番枠からスタート、スタンド側の中団を進むのが黄色い勝負服が鮮やかなシー・ザ・スターズ。キネーンの騎乗です。
勝負所で大外のデレゲイター、最内のシー・ザ・スターズが進路を中央に向けてきます。こういうケースでは前が塞がる不利を被る馬が出るものですが、今回はスムースに流れましたね。
最後の上り坂で両馬のスタミナの違いが出たのか、シー・ザ・スターズがデレゲイターに1馬身半差を付けて優勝。3着には4分の3馬身でガン・アームラスが粘りこみます。
オブライエンの2頭、リップ・ヴァン・ウィンクルとマスタークラフツマンが夫々4・5着。順当な結果だったと言えるでしょう。
勝ったシー・ザ・スターズは8対1、キネーン騎手にとっては4度目の2000ギニー制覇となります。(1990年チロル Tirol 、1997年アントレプルヌール Entrepreneur 、1998年キング・オブ・キングス King of Kings)。
注目したいのは調教師のジョン・オックスさん。1950年7月14日生まれですから現在58歳。アイルランドのカラーに本拠を置いていますが、2000ギニーにはこれが僅かに2度目の挑戦(前回は2004年、アザムール Azamour で3着でした)だったこと。
オックス厩舎は例年スロー・スタートで、5月初めの早い時期では馬を目一杯に仕上げてきません。それでこの快挙というところに注目すべきでしょう。
勝ったシー・ザ・スターズ、正にクラシック血統と言うべきもので、母アーバン・シー Urban Sea は凱旋門賞馬。その産駒には英愛ダービーを制したガリレオ Galileo と、現代英国でも最高クラスの血脈を誇るファミリーなのです。
この点、我が国皐月賞を制したアンライバルドに共通したものを感じませんか。人気ではトライアルを圧勝した馬に劣っても、いざ本番となるとその良血が騒ぎ、結果はクラシック制覇、と。
シー・ザ・スターズの馬主は香港をベースとするリン・ツィ・ファミリー Ling Tsui 。母アーバン・シーの馬主でもありますが、この日は所用でニューマーケットは不在。次の目標となるエプサムには、当然ながら参加するでしょう。
(それにしても上位5頭、2着以外は全てアイルランド調教馬です。今年も強いぞアイルランド!)
さて血統からしてシー・ザ・スターズはダービーこそ本筋。実は2000ギニーはダービー・トライアルの積りだった、というのがオックス師の本音です。その血統については項を改めますが、父ケープ・クロス Cape Cross 以上に母の血を濃く受け継いでいるシー・ザ・スターズ、2000ギニー制覇でダービーの1番人気に躍り出ました。
いやそればかりか、同馬の三冠制覇にも10対1というオッズが出たくらい。
そのダービー、当然ながら3着のガン・アームラスの大目標でもあります。この馬はガリレオの仔、ボルジャー師もギニーはステップで本番はエプサムと豪語しています。
実は昨日はネット中継ライブ・ブログでリアルタイムにクラシック・レースを観戦し、ギニーが終わったところで就寝。多少寝不足気味のメリーウイロウです。
今朝も映像を何度も見直しましたが、事前の予想以上に見応えのある2000ギニーでしたね。
成績書を再検討すると、出走馬中にGⅠ馬が1頭しかいない(マスタークラフツマン)とか、無敗馬が1頭もいないなど、例年に比べてややレヴェルが落ちるのではないかと指摘する向きもありました。
しかし結果を見るとさすがにクラシック・レース、走るべき馬が走った、馬の実力がそのまま結果に繋がる好レースという感想です。
当初登録の17頭からオン・アワ・ウェイとザフィシオが取り消し、15頭立てで行われました。馬場状態がやや固かったことが理由のようです。
(詳しい出走馬等は5月1日の日記参照)
やはり1番人気はクレイヴァンを鮮やかに制したデレゲイターで、3対1。15番枠を引いたため、スタンドから遠い外を中団で進みます。
本命馬とは反対に1番枠からスタート、スタンド側の中団を進むのが黄色い勝負服が鮮やかなシー・ザ・スターズ。キネーンの騎乗です。
勝負所で大外のデレゲイター、最内のシー・ザ・スターズが進路を中央に向けてきます。こういうケースでは前が塞がる不利を被る馬が出るものですが、今回はスムースに流れましたね。
最後の上り坂で両馬のスタミナの違いが出たのか、シー・ザ・スターズがデレゲイターに1馬身半差を付けて優勝。3着には4分の3馬身でガン・アームラスが粘りこみます。
オブライエンの2頭、リップ・ヴァン・ウィンクルとマスタークラフツマンが夫々4・5着。順当な結果だったと言えるでしょう。
勝ったシー・ザ・スターズは8対1、キネーン騎手にとっては4度目の2000ギニー制覇となります。(1990年チロル Tirol 、1997年アントレプルヌール Entrepreneur 、1998年キング・オブ・キングス King of Kings)。
注目したいのは調教師のジョン・オックスさん。1950年7月14日生まれですから現在58歳。アイルランドのカラーに本拠を置いていますが、2000ギニーにはこれが僅かに2度目の挑戦(前回は2004年、アザムール Azamour で3着でした)だったこと。
オックス厩舎は例年スロー・スタートで、5月初めの早い時期では馬を目一杯に仕上げてきません。それでこの快挙というところに注目すべきでしょう。
勝ったシー・ザ・スターズ、正にクラシック血統と言うべきもので、母アーバン・シー Urban Sea は凱旋門賞馬。その産駒には英愛ダービーを制したガリレオ Galileo と、現代英国でも最高クラスの血脈を誇るファミリーなのです。
この点、我が国皐月賞を制したアンライバルドに共通したものを感じませんか。人気ではトライアルを圧勝した馬に劣っても、いざ本番となるとその良血が騒ぎ、結果はクラシック制覇、と。
シー・ザ・スターズの馬主は香港をベースとするリン・ツィ・ファミリー Ling Tsui 。母アーバン・シーの馬主でもありますが、この日は所用でニューマーケットは不在。次の目標となるエプサムには、当然ながら参加するでしょう。
(それにしても上位5頭、2着以外は全てアイルランド調教馬です。今年も強いぞアイルランド!)
さて血統からしてシー・ザ・スターズはダービーこそ本筋。実は2000ギニーはダービー・トライアルの積りだった、というのがオックス師の本音です。その血統については項を改めますが、父ケープ・クロス Cape Cross 以上に母の血を濃く受け継いでいるシー・ザ・スターズ、2000ギニー制覇でダービーの1番人気に躍り出ました。
いやそればかりか、同馬の三冠制覇にも10対1というオッズが出たくらい。
そのダービー、当然ながら3着のガン・アームラスの大目標でもあります。この馬はガリレオの仔、ボルジャー師もギニーはステップで本番はエプサムと豪語しています。
ところでガン・アームラス Gan Amhras という馬名、ゲール語で“without doubt”(疑いの余地も無く)という意味なのだそうです。ダービーでは間違いなく好走することでしょう。
オブライエン組の両馬もシーズン初戦としては好走でしょう。特に最後の上り坂で瞬発力を発揮したリップ・ヴァン・ウィンクルも当然ながらダービー狙い。マスタークラフツマンとて同じことでしょう。
それを象徴するように、今回の2000ギニー出走馬でダービーに登録があるのは4頭だけ。その4傑が1着から5着までにキッチリ入っているのですから、見た目以上に充実したクラシック第1弾と映るのは当然のことなのです。
長くなりましたが、この日行われた二つのパターン・レースにも簡単に触れておきます。
ジョッキー・クラブ・ステークス(GⅡ、4歳上、1マイル4ハロン)は例年と比べると寂しいメンバー。5頭の登録がありましたが、何と2頭は出走取り消し。オール・ザ・エイシス All The Aces は馬場状態を理由に、スパニッシュ・ムーン Spanish Moon はゲートに入ることを拒否したため。
僅か3頭のレースですが、人気どおりには収まりません。去年のダービー2着馬カジュアル・コンケスト Casual Conquest が10対11の圧倒的人気に応えられず2着敗退。7対1のブロンズ・キャノン Bronze Cannon に3馬身も離されてしまいました。
更に3馬身で3着、と言うかシンガリはドリル・サージェント Drill Sergeant 。
それにしてもカジュアル、どうしちゃったんでしょうか。彼もゲートインを嫌っていましたからスタート時間が大幅に遅れていました。
スプリンターが15頭揃ったパレス・ハウス・ステークス(GⅢ、3歳上、5ハロン)。今年最初の3歳馬と古馬混合の大きなレースですが、その3歳馬アムール・プロパー Amour Propre の逃げ切り勝ち。
2着は2馬身半遅れてホー・ホー・ホー Hoh Hoh Hoh 、ハナ差3着に1番人気のボーダーレスコット Borderlescott という結果になっています。
アムール・プロパーは兎に角速い馬で、2歳時の去年もいくつかレコード・タイムを記録しているほど。古馬との壁をアッサリと乗り越えてしまいました。今後のスプリント路線の目玉になるかも。
さし当たって5月23日のテンプル・ステークスに出るそうですが、ここではハンガリーが産んだ名スプリンター、オーヴァーダズ Overdose が待ち受けています。
去年のアベイ賞で誤スタートにより取り消しとなった無敗のオーヴァーダズ。今や“ブダペストの弾丸”と異名を取る怪物に祭り上げられているようです。
オブライエン組の両馬もシーズン初戦としては好走でしょう。特に最後の上り坂で瞬発力を発揮したリップ・ヴァン・ウィンクルも当然ながらダービー狙い。マスタークラフツマンとて同じことでしょう。
それを象徴するように、今回の2000ギニー出走馬でダービーに登録があるのは4頭だけ。その4傑が1着から5着までにキッチリ入っているのですから、見た目以上に充実したクラシック第1弾と映るのは当然のことなのです。
長くなりましたが、この日行われた二つのパターン・レースにも簡単に触れておきます。
ジョッキー・クラブ・ステークス(GⅡ、4歳上、1マイル4ハロン)は例年と比べると寂しいメンバー。5頭の登録がありましたが、何と2頭は出走取り消し。オール・ザ・エイシス All The Aces は馬場状態を理由に、スパニッシュ・ムーン Spanish Moon はゲートに入ることを拒否したため。
僅か3頭のレースですが、人気どおりには収まりません。去年のダービー2着馬カジュアル・コンケスト Casual Conquest が10対11の圧倒的人気に応えられず2着敗退。7対1のブロンズ・キャノン Bronze Cannon に3馬身も離されてしまいました。
更に3馬身で3着、と言うかシンガリはドリル・サージェント Drill Sergeant 。
それにしてもカジュアル、どうしちゃったんでしょうか。彼もゲートインを嫌っていましたからスタート時間が大幅に遅れていました。
スプリンターが15頭揃ったパレス・ハウス・ステークス(GⅢ、3歳上、5ハロン)。今年最初の3歳馬と古馬混合の大きなレースですが、その3歳馬アムール・プロパー Amour Propre の逃げ切り勝ち。
2着は2馬身半遅れてホー・ホー・ホー Hoh Hoh Hoh 、ハナ差3着に1番人気のボーダーレスコット Borderlescott という結果になっています。
アムール・プロパーは兎に角速い馬で、2歳時の去年もいくつかレコード・タイムを記録しているほど。古馬との壁をアッサリと乗り越えてしまいました。今後のスプリント路線の目玉になるかも。
さし当たって5月23日のテンプル・ステークスに出るそうですが、ここではハンガリーが産んだ名スプリンター、オーヴァーダズ Overdose が待ち受けています。
去年のアベイ賞で誤スタートにより取り消しとなった無敗のオーヴァーダズ。今や“ブダペストの弾丸”と異名を取る怪物に祭り上げられているようです。
尚、このレースではチーフ・エディター Chief Editor が落馬、ロビンソン騎手が病院に運び込まれるというアクシデントが起きています。
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