シロザ(アカザ)

これは決して多くはありません。散歩で見つかるのは極めた限られた場所。
最近改修された拙宅近くの公園でまとまって出ていましたが、つい先日に区の公園課の清掃が入り、根こそぎ無くなってしまいました。
行政の目から見れば雑草は“あってはならないもの”かも知れませんし、実際に駆除した方が好ましいものもあります。でもねぇ~、一網打尽というのは余り感心しません。業者は善意でやっていることは分りますがね。
植物が人の目に止まるのは、圧倒的に花の時期でしょう。それに次いでは果実。
しかしシロザは、葉でそれと認識される珍しいものの一つだと思います。
シロザは「白座」ではありませんが、その名前のように若葉の基部や裏が白くなるのが特徴。これを見て、“あっ、シロザがあるぞ” と気が付くのですね。
もちろん植物ですから花も咲きますが、それはほとんど目立ちません。花期は9月から10月。あくまでも若葉がポイントだし、この若葉は食料にもなります。天麩羅が一押しだそうで・・・。
シロザに対抗するようにアカザという植物もあります。図鑑を調べていて驚いたのは、アカザはシロザの変種で、分類上は同じ種類だということ。
アカザは「藜」という漢字が当てられますが、シロザに相当する漢字は無いようです。間違っても「白座」じゃない。
書物によって扱いが違うようですが、シロザはユーラシア原産で、古い時代に帰化したと考えられている由。
手元の帰化植物写真図鑑では、シロザは在来種とされています。
(アカザは古い時代に中国から渡来し、食用に栽培されていたものが野生化したという説もあるようです)
シロザには別名「シロアカザ」という呼び方もあって、これでは本末転倒のような気がしますがどうでしょうか。
シロザもアカザも学名は同じ。Chenopodium album 、ケノポディウム・アルブム。属名の意味は良く判りませんが、種名のアルブムは「白色の」という意味。正に「シロザ」そのものですね。
アカザには var. centrorubrum という変種名が付けられ、これは「中心が赤い」ということ。
つまり学名では、アカザは「アカシロザ」という表現になり、シロザ・アカザの出自をより的確に表しているのではないでしょうか。
さぁ、次のシロザ発生地を探しに出掛けましょうか。
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