グラインドボーンの「トリスタンとイゾルデ」
放送音楽
昨夜、BSハイビジョンでグラインドボーンの「トリスタンとイゾルデ」が放送されました。録画して見終わったところ。
これは素晴らしい公演でした。グラインドボーンのビデオを見るのは久し振りですが、意外にもワーグナー。ここのワーグナーは初めて見ましたが、どうして、バイロイトより優れているんじゃないか、とまで思いました。主なキャスト等はこんな具合。
トリスタン/ロバート・キャンビル、イゾルデ/ニナ・シュテンメ、マルケ王/ルネ・パーぺ、ブランゲーネ/カタリナ・カルネウス、クルヴェナル/ボー・スコウフス、メロート/スティーヴン・ガッド他、指揮/イルジー・ビェロフラーヴェク、管弦楽/ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団、演出/ニコラウス・レーンホフ。
2007年7月28日、8月1日、6日の公演を収録したものだそうです。
恐らく3日間の公演とゲネ・プロなども収録して、映像作品にまとめたのでしょう。いずれDVDで発売されるかもしれません。実に完成度が高い。
まず録音が良いです。前奏曲の最初の音からして、“おっ、これは音がイイ”と思いましたもん。我が家の貧弱な装置でも音が違う。いや、貧弱だから良いのかな。
この間のメトロポリタンは、正真正銘のライヴということもあって、音質は今一。いわゆる Boxy な音で、どうもデッドで篭る感じです。メットはいつもこんな感じですから、ホールの問題か、録音には適さないのでしょうね。
その前はルツェルン音楽祭のマーラー第2(アバド指揮)というのも聴きましたが、あんまり音が酷いので、日記に書く気にもなりませんでした。あれがDVDでも出ていて評判になっている、というのだから呆れます。きっと皆、凄い装置で聴いているんですかね。
録音が良いだけじゃないです。スコウフスとパーぺは知っていますが、ギャンビルもシュテンメも初めて聞く名前。なぁんたって、私はニルソン、ヴィントガッセンの世代ですからね。
二人とも今年、日本で歌っているんだそうです。ギャンビルはベルリンのタンホイザー、シュテンメはチューリッヒのマルシャリン。オペラ好きの間では大スターみたいですね。自分の物知らずにも呆れます。
トリスタンもイゾルデも最初からテンションが高くて、ハナから圧倒されてしまいました。
それにオーケストラが素晴らしい。ロンドン・フィルはここのレジデントだけれど、こんな見事なワーグナー・サウンドを出すとは・・・。
またビエロフラーヴェク。これも見事な指揮。最近乗ってますねぇ。まさかこれほどのワーグナーを振るとは思わなかった。もう日本フィルには来てもらえないかな。
今が旬の、そして、これからのワーグナー界を引っ張っていくであろう演奏家たちによる「トリスタンとイゾルデ」を堪能しました。
レーンホフの演出も、シンプルながら照明を見事に使い、音楽を全く邪魔していないところが気に入りました。
もう一度見たいな、と思ったけれど、終わったとたん、ワーグナー嫌いの家内に消去されてしまった。DVDが出たら買っちゃお。
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