悲願のGⅠ達成、アクラーム。
長い夏のドーヴィル開催を終え、フランス競馬の舞台はロンシャンに戻ってきました。
昨日の日曜日は、メインのGⅠ競走であるムーラン・ド・ロンシャン賞を含めて4鞍のパターン・レースが行われています。
先ずはそのムーラン・ド・ロンシャン賞(GⅠ、3歳上、1600メートル)から紹介していきましょう。
ヨーロッパ・マイル路線の頂点として、ムーランはパターン・システム導入時からGⅠのステイタスを堅持してきました。
この前哨戦とも言えるのが、ドーヴィルのジャック・マロワ賞。
マロワは女傑ゴールディコヴァが圧勝しましたが、この牝馬は次元を超えた名馬。そのゴールディコヴァが出走しないムーランではマロワの上位組みが順当に勝敗を争い、マイラー路線の勢力地図がシッカリしたものであることを証明しています。
9頭立ての1番人気を集めた今年の1000ギニー馬イルーシヴ・ウェイヴ Elusive Wave が、何とスタートが切られてもゲートを出ず、競走を放棄してしまいました。
理由は判りませんが、馬がレースを拒否した以上、如何ともし難い事態。
逃げたアジテビ騎乗のグラディアトーラス Gladiatorus を2番手でぴったりマークしたアクラーム Arlaam が直線で抜け出して楽勝。前走ジャック・ル・マロワ2着の実力を立証しています。
2着は1馬身半差でフェイマス・ネイム Famous Name 、3着に2馬身半遅れてヴァーチャル Virtual の順。
3着ヴァーチャルは、マロワの3着馬。これまた順当な結果でしょう。
勝ったアクラームはウィリアム・ハッガス厩舎、リチャード・ヒルズ騎乗の英国馬。
2着はアイルランドから遠征のウェルド厩舎、3着もイギリスのゴスデン厩舎ですから、外国馬が上位を独占した形です。
更に1~3着までは全て4歳馬。マイル路線に限っては、古馬の実力が勝っている印象を残しましたね。
ところでアクラームは3歳の時から能力が期待され、一時は陣営のダービー候補とまで言われた馬。
去年ロイヤル・アスコットでジャージー・ステークスを制してこれから、という時に故障に見舞われます。
アクラームを管理するチームが一丸となって同馬の回復をサポートし、このロンシャンで悲願のGⅠを達成するという感動的なドラマを内包していたのです。
残るパターン・レース3鞍はいずれもGⅢ、レースが行われた順に取り上げましょう。
ラ・ロシェット賞(GⅢ、2歳、1400メートル)は7頭立て。逃げたエイトフォールド・パス Eightfold Path を2番手に控えてマークしたバズワード Buzzword が抜け出し、1番人気(9対5)のシユーニ Siyouni の追い込みを1馬身半抑えて優勝。
3着に2馬身差で逃げたエイトフォールド・パスが食い込みました。
バズワードはリッチモンド・ステークス(ディック・ターピンの)、ソラリオ・ステークス(シェークスピアリアンの)でいずれも2着していたパターン・レースの常連。
次は凱旋門賞開催のジャン・リュック・ルガルデール(グラン・クリテリウム)を目指す由。
ゴドルフィン軍団の1頭で、ニューマーケットでスロール師が調教する馬。主戦のデットーリはこの日ドイツで騎乗していたため、この日はアームド・アジテビが騎乗していました。
アジテビはバズワードのデビュー戦でも騎乗していましたが、ロンシャン競馬場は初体験でした。
デュ・パン賞(GⅢ、3歳上、1400メートル)は2004年からGⅢに格上げされたレースですが、創設(1883年)以来様々に条件が変更されてきたレースで、あまり馴染みはありません。
8頭立て。快調に逃げたヴァレナール Varenar がそのまま逃げ切るかに見えましたが、あろうことか勝負所でスミオン騎手がムチを落としてしまい、機を失せずに大外から強襲したプロヴィーゾ Proviso が首差の差し切り勝ち。
3着にも短頭差でイマージェンシー Emergency が追い込みます。
勝馬の調教師はアンドレ・ファーブル、騎手はステファン・パスキエ。
プロヴィーゾは、2007年8月(ドーヴィルのカルヴァドス賞)以来のパターン・レース優勝です。
最後のリュテース賞(GⅢ、3歳、3000メートル)も創設以来様々に条件が変更されてきましたが、現在はフランスのセントレジャーに相当するロワイヤル・オーク賞のトライアル的位置付けです。
6頭立ての1番人気(9対10)に支持されたのは、デビュー以来5連勝中で無敗のマニガー Manighar 。パターン・レースは初挑戦ですが、アガ・カーン所有の期待馬です。
マニガーは後方2番手を進み、直線で抜け出したところをワジル Wajir が急襲。結局ワジルがマニガーに1馬身差で優勝を攫いました。
3着に4馬身でインヴェスティスマン Investissment 。
勝ったワジルはルルーシュ厩舎、クラスタス騎乗。これまでの実績から負担重量がマニガーより5キロも重く、アガ・カーン陣営は完敗を認めています。
バズワードでも紹介しましたが、日曜日はゴドルフィンのエースであるデットーリ騎手はドイツに遠征していました。
狙いはイースタン・アンセム Eastern Anthem でのバーデン大賞典制覇でしたが、惜しくも2着。
このレースはドイツの古豪ゲタウェイ Getaway が貫禄で勝ち。ファロン騎乗でイギリスから遠征した久々のユームザイン Youmzain も健在をアピールしています。
ゲタウェイもユームザインも共に目標は1ヵ月後に迫っている凱旋門賞。ローテーションをピタリと大一番に合わせて順当な仕上がりと見ました。
本番で恐いのは、最初から凱旋門制覇を目標にしている馬。バーデン大賞の結果は侮れませんよ。
昨日の日曜日は、メインのGⅠ競走であるムーラン・ド・ロンシャン賞を含めて4鞍のパターン・レースが行われています。
先ずはそのムーラン・ド・ロンシャン賞(GⅠ、3歳上、1600メートル)から紹介していきましょう。
ヨーロッパ・マイル路線の頂点として、ムーランはパターン・システム導入時からGⅠのステイタスを堅持してきました。
この前哨戦とも言えるのが、ドーヴィルのジャック・マロワ賞。
マロワは女傑ゴールディコヴァが圧勝しましたが、この牝馬は次元を超えた名馬。そのゴールディコヴァが出走しないムーランではマロワの上位組みが順当に勝敗を争い、マイラー路線の勢力地図がシッカリしたものであることを証明しています。
9頭立ての1番人気を集めた今年の1000ギニー馬イルーシヴ・ウェイヴ Elusive Wave が、何とスタートが切られてもゲートを出ず、競走を放棄してしまいました。
理由は判りませんが、馬がレースを拒否した以上、如何ともし難い事態。
逃げたアジテビ騎乗のグラディアトーラス Gladiatorus を2番手でぴったりマークしたアクラーム Arlaam が直線で抜け出して楽勝。前走ジャック・ル・マロワ2着の実力を立証しています。
2着は1馬身半差でフェイマス・ネイム Famous Name 、3着に2馬身半遅れてヴァーチャル Virtual の順。
3着ヴァーチャルは、マロワの3着馬。これまた順当な結果でしょう。
勝ったアクラームはウィリアム・ハッガス厩舎、リチャード・ヒルズ騎乗の英国馬。
2着はアイルランドから遠征のウェルド厩舎、3着もイギリスのゴスデン厩舎ですから、外国馬が上位を独占した形です。
更に1~3着までは全て4歳馬。マイル路線に限っては、古馬の実力が勝っている印象を残しましたね。
ところでアクラームは3歳の時から能力が期待され、一時は陣営のダービー候補とまで言われた馬。
去年ロイヤル・アスコットでジャージー・ステークスを制してこれから、という時に故障に見舞われます。
アクラームを管理するチームが一丸となって同馬の回復をサポートし、このロンシャンで悲願のGⅠを達成するという感動的なドラマを内包していたのです。
残るパターン・レース3鞍はいずれもGⅢ、レースが行われた順に取り上げましょう。
ラ・ロシェット賞(GⅢ、2歳、1400メートル)は7頭立て。逃げたエイトフォールド・パス Eightfold Path を2番手に控えてマークしたバズワード Buzzword が抜け出し、1番人気(9対5)のシユーニ Siyouni の追い込みを1馬身半抑えて優勝。
3着に2馬身差で逃げたエイトフォールド・パスが食い込みました。
バズワードはリッチモンド・ステークス(ディック・ターピンの)、ソラリオ・ステークス(シェークスピアリアンの)でいずれも2着していたパターン・レースの常連。
次は凱旋門賞開催のジャン・リュック・ルガルデール(グラン・クリテリウム)を目指す由。
ゴドルフィン軍団の1頭で、ニューマーケットでスロール師が調教する馬。主戦のデットーリはこの日ドイツで騎乗していたため、この日はアームド・アジテビが騎乗していました。
アジテビはバズワードのデビュー戦でも騎乗していましたが、ロンシャン競馬場は初体験でした。
デュ・パン賞(GⅢ、3歳上、1400メートル)は2004年からGⅢに格上げされたレースですが、創設(1883年)以来様々に条件が変更されてきたレースで、あまり馴染みはありません。
8頭立て。快調に逃げたヴァレナール Varenar がそのまま逃げ切るかに見えましたが、あろうことか勝負所でスミオン騎手がムチを落としてしまい、機を失せずに大外から強襲したプロヴィーゾ Proviso が首差の差し切り勝ち。
3着にも短頭差でイマージェンシー Emergency が追い込みます。
勝馬の調教師はアンドレ・ファーブル、騎手はステファン・パスキエ。
プロヴィーゾは、2007年8月(ドーヴィルのカルヴァドス賞)以来のパターン・レース優勝です。
最後のリュテース賞(GⅢ、3歳、3000メートル)も創設以来様々に条件が変更されてきましたが、現在はフランスのセントレジャーに相当するロワイヤル・オーク賞のトライアル的位置付けです。
6頭立ての1番人気(9対10)に支持されたのは、デビュー以来5連勝中で無敗のマニガー Manighar 。パターン・レースは初挑戦ですが、アガ・カーン所有の期待馬です。
マニガーは後方2番手を進み、直線で抜け出したところをワジル Wajir が急襲。結局ワジルがマニガーに1馬身差で優勝を攫いました。
3着に4馬身でインヴェスティスマン Investissment 。
勝ったワジルはルルーシュ厩舎、クラスタス騎乗。これまでの実績から負担重量がマニガーより5キロも重く、アガ・カーン陣営は完敗を認めています。
バズワードでも紹介しましたが、日曜日はゴドルフィンのエースであるデットーリ騎手はドイツに遠征していました。
狙いはイースタン・アンセム Eastern Anthem でのバーデン大賞典制覇でしたが、惜しくも2着。
このレースはドイツの古豪ゲタウェイ Getaway が貫禄で勝ち。ファロン騎乗でイギリスから遠征した久々のユームザイン Youmzain も健在をアピールしています。
ゲタウェイもユームザインも共に目標は1ヵ月後に迫っている凱旋門賞。ローテーションをピタリと大一番に合わせて順当な仕上がりと見ました。
本番で恐いのは、最初から凱旋門制覇を目標にしている馬。バーデン大賞の結果は侮れませんよ。
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