英仏クラシックへ

4月に入ってヨーロッパ競馬もそろそろ本格的に動き始めました。昨日はフランスのメゾン=ラフィット競馬場で伝統のクラシック・トライアルが行われています。
春未だ浅い時期とあって馬場は good to soft 、当初の予想よりは回復していましたが、先ずは牡馬によるジェベル賞 Prix Djebel (GⅢ、3歳牡せん、1400メートル)。
去年トーマス・ブライアン賞に勝ったユーエス・ロウ US Law が出走を取り消しての8頭立て。エクリプス賞とクリテリウム・ド・メゾン=ラフィットに勝っているペニーズ・ピクニック Penny’s Picnic (23対10、2番人気)が出走してきましたが、これを抑えて2対1の1番人気に支持されたのは、既に3歳として1戦しているスタイル・ヴァンドーム Style Vendome 。パターン・レースは初挑戦ですが、使われた強みが買われての人気でしょう。

スノーデイ Snowday の逃げを中団で待機したスタイル・ヴァンドーム、内ラチ沿いに進路を取ると、残り150ヤードで抜けての快勝。逃げたスノーデイが2馬身半差2着に粘り、短首差の3着にペニーズ・ピクニックの順。
ティエリー・テュリエ騎乗のスタイル・ヴァンドームは、2歳時ドーヴィルのデビュー戦で2着したあとローカルのディエッペ競馬場で初勝利、続くドーヴィルのリステッド戦も制して2歳シーズンを終え、今季はシャンティーのポリトラック・コースで行われたリステッドにも楽勝して通算5戦4勝。
管理するニコラス・クレメント師は、去年のこのレースをフレンチ・フィフティーン French Fifteen で制しており2連覇達成。フレンチ・フィフティーンは2000ギニーに挑戦してキャメロット Camelot に首差2着でしたから、スタイル・ヴァンドームもドーヴァー海峡を渡る可能性大。この勝利で2000ギニーのオッズは14対1から25対1が提示されました。クレメント師は英仏どちらのギニーに向かうかは未定とのこと。

一方3着のペニーズ・ピクニックにも英2000ギニーの登録があり、今回はシーズン初戦。2歳時は7戦も走った経験馬だけに、使われての良化が期待できそう。こちらを管理するディディエ・ギルマン調教師は、一昨年の仏2000ギニーをティン・ホース Tin Horse で制しており、英2000ギニーのオッズは現時点では50対1となっています。

続いては牝馬のアンプルーダンス賞 Prix Imprudence (GⅢ、3歳牝、1400メートル)。こちらも1頭が取り消して10頭立て。去年はラ・ロシェット賞(GⅢ)に勝ち、ジャン=リュック・ラガルデール賞(GⅠ)でも2着と牡馬相手に一線級と闘ってきたワッタ・ネーム What A Name が8対5の1番人気。牝馬相手のここでは負けられない一戦でしょう。
トスカ Tosca の逃げを好位でマークし、勝負所で前が塞がる場面もありましたが、クリストフ・ルメールが落ち着いて間隔を衝くと一気に加速、首差ながら伏兵(24対1)ホーリー・ダズル Holy Dazzle を抑えて優勝。更に首差でスピナクル Spinacre が3着に入り、上位3頭は差の無い競馬となりました。

着差こそ僅か、期待ほどの圧勝劇にはなりませんでしたが、シーズン初戦、馬場状態、騎手の自信度、レース内容を考慮すればワッタ・ネームの勝ちは順当なもの。
勝馬を管理するマイケル・デルザングレ師は、2010年にはマクフィー Makfi で2000ギニーを制し、去年はエルミヴァル Hermival を3着に持ってきています。1000ギニーには未だ管理馬を走らせていないだけに、ワッタ・ネームの挑戦が待たれる所。オッズも7対1に上がり、本命馬の一角に食い込んできました。
デルザングレ師は曖昧な表現でお茶を濁していましたが、本音はニューマーケット遠征にある様子。これまで牡馬を相手にG戦を闘ってきた彼女の実力は相当なもの、と見ました。父ミスター・グリーリー Mr Greeley も既にフィンシール・べオ Finsceal Beo で英1000ギニーを制しており、血統的にも問題は無いでしょう。

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