アスコット対決の前に

今日(6月14日)、愈々ロイヤル・アスコットがスタートします。火曜日の初日、恒例の第1レースはアスコット競馬場の創設者とも言うべきアン女王を記念したクイーン・アン・ステークス。
日本では初日のカードで最も期待されているのがグランプリボスがフランケル Frankel の胸を借りるセント・ジェームズ・パレス・ステークスでしょうが、冷静に見れば最大の見ものはクイーン・アンでの2強対決でしょう。
キャンフォード・クリフス Canford Cliffs 対 ゴールディコヴァ Goldikova 。

でも、その前に。

月曜日のフランス、ロンシャン競馬場でラ・クープ La Coup (GⅢ、4歳上、2000メートル)が行われました。馬場状態は good to soft 。
1頭取り消しで6頭立て。一昨年の仏オークス馬スタチェリータ Stacelita がシーズン初戦を迎えるのが話題になっていました。オッズは3対1、1番人気にならなかったのは、やはり休み明けの死角があったからでしょう。

11対10の1番人気に支持されたのは、今シーズン4戦目を迎えた歴戦の古馬シリュス・デ・ゼーグル Cirrus des Aigles 。去年のジャパン・カップ参戦(9着)で日本にも馴染の馬ですね。
レースは、そのシリュス・デ・ゼーグルがスタートから先頭に立ち、ゆったりとしたペース。ゴール前2ハロンで加速すると、そのまま追い込み馬の追撃を振り切って見事1番人気に応えました。
4番手から追い上げたファーブル厩舎のアナウンス Announce が4分の3馬身差2着、スタチェリータは最後方で直線に入り、そこから前の馬を次々に交わしましたが上位2頭を捉えるに至らず、2馬身半遅れの3着に終わりました。

シリュス・デ・ゼーグルはコリーヌ・バランド=バルブ夫人が調教する5歳のせん馬。前走のイスパハン賞(GⅠ)ではゴールディコヴァに首差まで迫っており、この日はスタチェリータより10ポンドも重い負担重量での快勝。今日ロイヤル・アスコットに登場するゴールディコヴァには絶好の宣伝効果になりました。
勝利騎手はフランク・ブロンデル。イスパハンではスミオンが騎乗していましたが、本来はブロンデルが主戦騎手です。

シリュス・デ・ゼーグルにとっては、これが4つ目のGレース勝利。今季はエクスバリー2着、ガネー3着、イスパハン2着と続けての初勝利。次は愈々ドーヴァー海峡を渡ってヨーク競馬場のジャドモント・インターナショナルでGⅠ初制覇を目指します。
同馬は、既に日本や香港(香港ヴァーズは5着、香港カップが7着)へは遠征していますが、不思議なことにイギリスでもアイルランドでも走ったことはありません。
今日のゴールディコヴァの結果がどうであろうとも、シリュス・デ・ゼーグルの英国初登場が待たれるところです。

ところで馬名。フランス語で cirrus は「絹雲」、aigles は「鷲」。単純には「鷲の絹雲」ということですが、これでは意味を持ちませんね。
彼の母はターイユ・ド・ゲップ Taille de Guepe 。こちらは直訳すれば「スズメ蜂の胴」の意味ですが、女性の「細くくびれた腰」のこと。恐らくシリュス・デ・ゼーグルにも別の意味が隠されているのではないでしょうか。
フランス語に詳しい方のご教示をお待ちしております。

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