ヨーロッパのフィナーレ
私のヨーロッパ競馬日記、愈々フィナーレです。ま、ヨーロッパと言っても私の場合はイギリス、アイルランド、フランスだけですけどね。
もちろんドイツとイタリアも重要な競馬国ですから、いずれは取り上げなきゃいかんとは思いますが、何分にも情報量が少ないし、私の能力ではキャパシティー・オーバーになってしまいます。北欧、昔風に言うフランドル地方、東欧からロシアにも競馬はもちろんありますが、キリがありません。
その最終戦は、昨日の土曜日にサン=クルー競馬場で行われたクリテリウム・ド・サン=クルー(GⅠ、2歳、2000メートル)。
どうも去年の日記に間違ったことを書いてしまったようなので改めてレースの歴史を紹介すると、クリテリウム・ド・サン=クルーは1901年創設。名前の通りサン=クルーのクリテリウムとして行われてきました。距離は最初は確か1400メートルだったと思いますが、1906年から2000メートルに延長、一時期変更もありましたが、ずっと2000メートルで安定しています。
(クリテリウム Criterium というのはそもそも「選抜戦」という意味のラテン系の言葉ですから、フランスやイタリアでのみ使われているレース名。英語圏では使いません。)
1971年のパターン・システム導入時にはGⅡでしたが、1987年からGⅠに格上げされました。
レースの時期からして、ヨーロッパで行われるシーズン最後のGⅠ戦となります。
去年はフェーム・アンド・グローリー Fame And Glory が制し、今年のアイルランド・ダービー馬になったのは記憶に新しいところ。
今年は、同じオブライエン軍団の3頭出しを含めて9頭が出走しました。
かなり高レヴェルのメンバーが揃いましたが、結果は一方的でした。6対4の1番人気に支持されたゴドルフィンのパッション・フォー・ゴールド Passion For Gold が2着に6馬身もの大差を付けての圧勝です。2歳戦とは言え、GⅠレースでの6馬身差というのはそんなにあるものじゃありません。
2着はチーム・オブライエンの一角ミハイル・グリンカ Mikhail Glinka 、3着には更に4分の3差でドイツから遠征してきたザズー Zazou の順。
ムルタが選択したドン・カルロス Don Carlos は4着に終わっています。
勝ったパッション・フォー・ゴールドは、前走ペレスフォード・ステークスでセント・ニコラス・アベイ St Nicholsa Abbey の3着していた馬。勝馬とは2馬身ほどの差でしたが、これでクラシック候補の1頭に躍り出たことは間違いありません。
ペレスフォード2着のライアリ・アル・アンダルス Layali Al Andalus もクリテリウムに出走していましたが、逃げてパテた着外。これは失望でした。
勝馬には当然ながらデットーリが騎乗していましたが、これまで同馬にはアラン・ムンロが騎乗、デットーリは今回が初騎乗でした。
ゴドルフィンは、先のブリーダーズ・カップ・ジュヴェナイルをヴェイル・オブ・ヨーク Vale Of York で制しており、2頭続けてクラシック候補を出したことになります。
デットーリの感触では、この日のような重馬場を得意とする距離が延びて良い馬。ダービー・タイプと言えそうです。
この勝利でパッション・フォー・ゴールドに出されたダービーのオッズは10対1、来年のクラシックに向けて多彩なメンバーが出揃ってきた印象ですね。
さてこれで当面の競馬日記は終了です。もちろん日本のジャパン・カップも香港のフェスティヴァルも控えていますが、私としては守備範囲を外れるもの。若干の感想くらいは触れるかもしれませんが、詳しいレポートはしない積り。
再開は来年3月、フランスのシーズン開幕からになります。
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