今年もブリーダーズ・カップ

今週末のブリーダーズ・カップが近付いてきました。毎年開催地が変わる競馬の祭典、今年はケンタッキー・ダービーが行われるチャーチル・ダウンズ競馬場が舞台です。

金曜(11月5日)と土曜(11月6日)の二日間、既に枠順も発表されていますから、ざっと展望しておきましょうか。と言ってもアメリカのことは不案内なので、私の場合は「欧州的視点」です。

11月5日(金)

20時10分 Marathon (GⅢ) 3歳上、1マイル6ハロン、ダートコース、12頭
20時50分 Juvenile Fillies Turf (GⅡ) 2歳牝、1マイル、芝コース、15頭
21時30分 Filly & Mare Sprint (GⅠ) 3歳上牝、7ハロン、ダートコース、16頭
22時10分 Juvenile Fillies (GⅠ) 2歳牝、1マイル110ヤード、ダートコース、13頭
22時50分 Filly & Mare Turf (GⅠ) 3歳上牝、1マイル3ハロン、芝コース、11頭
23時30分 Ladies Classic (GⅠ) 3歳上牝、1マイル1ハロン、ダートコース、11頭

11月6日(土)

17時50分 Juvenile Turf (GⅡ) 2歳牡せん、1マイル、芝コース、13頭
18時30分 Sprint (GⅠ) 3歳上、6ハロン、ダートコース、12頭
19時15分 Turf Sprint (GⅡ) 3歳上、5ハロン、芝コース、15頭
19時55分 Juvenile (GⅠ) 2歳牡せん、1マイル110ヤード、ダートコース、10頭
20時40分 Mile (GⅠ) 3歳上、1マイル、芝コース、11頭
21時20分 Dirt Mile (GⅠ) 3歳上、1マイル、ダートコース、13頭
22時00分 Turf (GⅠ) 3歳上、1マイル4ハロン、芝コース、8頭
22時45分 Classic (GⅠ) 3歳上、1マイル2ハロン、ダートコース、12頭

出走制限頭数以上に登録のあるレースもありますから、最終的な出走馬に変更が生ずる可能性もあります。それでは各レースを簡単に。

11月5日

① マラソン。今年からGⅢに格上げされました。距離は去年と同じ。去年はオブライエン厩舎のマン・オブ・アイアン Man Of Iron が勝って、オブライエン師のブリーダーズ・カップ20何連敗かを止めたレースですね。今年もオブライエン厩舎はブライト・ホリゾン Bright Horizon で幸先良いスタートを狙います。人気は地元のジャイアント・オーク Giant Oak に集まっているとか。ダートコース故か、他にヨーロッパからの参戦はありません。むしろアルゼンチンとブラジルの馬が面白そうなレース。

② ジュヴェナイル・フィリーズ・ターフ。今年からGⅡに格上げ。ヨーロッパ組ではハノン厩舎のテール・アントールド Tale Untoled 、ミーハン厩舎のクワイエット・オアシス Quiet Oasis 、ゴスデン厩舎のフラッド・プレイン Flood Plain 、オブライエン厩舎のトゥギャザー Together がチャレンジ。去年はアメリカ馬が勝ちましたが、今年もアメリカの無敗馬ウインター・メモリーズ Winter Memories が人気になっている模様。トゥギャザーが2番手か。

③ フィリー・アンド・メア・スプリント。去年GⅠに格上げされたレース。ゴドルフィンのセーラ・ルイーズ Sara Louise がデットーリ騎手で挑戦しますが、他は地元馬。去年の覇者インフォームド・デシジョン Informed Decision も人気の1頭ですが、アメリカ馬は全く判りません。

④ ジュヴェナイル・フィリーズ。ダートコースにも拘らずミーハン厩舎がサイケンス・セオリー Theykens’ Theory を送り込んできました。人気は割れているようですが、アール・ヒート・ライトニング R Heat Lightning が1番人気みたい。もちろん地元馬。

⑤ フィリー・アンド・メア・ターフ。日本でも最も注目されているGⅠ戦でしょう。レッドデザイアは10番枠と外を引いてしまいました。2番人気に期待されていますから、勝つチャンスも十分。去年より距離が1ハロン伸びたのも有利か。ヨーロッパ贔屓としては本命に推されているセシル厩舎のミッドディ Midday に期待。勝てば去年に続き2連覇です。他ではフランスのファーブル厩舎からプルーマニア Plumania 、ゴドルフィンからヒバーイェブ Hibaayeb も虎視眈々。

⑥ レディーズ・クラシック。GⅠ。一昨年の覇者ゼンヤッタ Zenyatta は今年も牡馬相手のクラシックに回りました。ヨーロッパからの挑戦はないので見物レースです。ライフ・アット・テン Life At Ten とブラインド・ラック Blind Luck の一騎打ちという前評判。

11月6日

① ジュヴェナイル・ターフ。去年からGⅡに格下げされた一戦。芝コースなのでミーハン厩舎のマントバ Mantoba 、オブライエン厩舎のマスター・オブ・ハウンズ Master Of Hounds 、ゴスデン厩舎のアットリー Utley がチャレンジ。中でマスター・オブ・ハウンズが1番人気のようで、オブライエン軍団としては最も勝利に近い存在か。マントバ、アットリーも人気は高く、ここはヨーロッパ勢に期待して良いのかも。

② スプリント。ダートなのでヨーロッパはお休み。中でゴドルフィンのジロラモ Girolamo という馬が出ていますが、ジョッキーは地元ですね。良く判りません。人気はそのジロラモとビッグ・ドラマ Big Drama という馬らしい。

③ ターフ・スプリント。去年はGⅠでしたが、今年はGⅡに格下げ。距離も5ハロンに短縮されました。芝コースですが、地元馬ばかりみたい。制限以上の登録があるので、除外馬が出るかも。大混戦で人気は割れそう。名前でストラヴィンスキー Stravinsky という馬に期待しておきましょうか。あ、去年の覇者カリフォルニア・フラッグ California Flag も出てますね。

④ ジュヴェナイル。GⅠ。去年はゴドルフィンのヴェイル・オブ・ヨーク Vale Of York が勝ちましたね。珍しいダートコースでのヨーロッパの勝利。今年もゴドルフィンはビオンデッティ Biondetti で連覇を狙っています。そのビオンデッティを含め無敗馬が4頭も出ていて、人気はアンクル・モー Uncle Mo とボーイズ・アット・トスコノヴァ Boys At Tosconova (こちらは3戦2勝)の2頭の由。

⑤ マイル。今年のブリーダーズ・カップ最大の注目はこれでしょう。ゴールディコヴァ Goldikova の3連覇なるか。ブリーダーズ・カップの同一レース2連覇は何頭かが達成していますが、3連覇は未だかつてありません。マイルは伝統的にヨーロッパの独壇場で、今年もゴールディコヴァの他にオブライエン厩舎のベートーヴェン Beethoven 、ゴドルフィンのデレゲイター Delegator 、ハノン厩舎のパコ・ボーイ Paco Boy が挑戦します。本来ならパコ・ボーイにはリチャード・ヒューズが乗るはずですが、ヒューズは目下ポール・ハナガン騎手と英リーディング・ジョッキー争いの最中。土曜日のドンカスターがイギリスの平場競走最終日ですから、とても英国を離れるわけにはいきません。そこで今回はライアン・ムーアが騎乗。これも見ものですね。人気はもちろん断然ゴールディコヴァ。

⑥ ダート・マイル。ヨーロッパ勢ではゴドルフィンの2頭出しがあるだけ。デットーリが乗るガイェーゴ Gayego とガルシア騎乗のワインヤード・ハヴン Vineyard Haven 。人気は地元3頭が分け合っているようですが、こちらは部外者です。

⑦ ターフ。ダービー、凱旋門賞を同じ年に制したワークフォース Workforce が出走に踏み切ったのが注目。当日は重馬場になるそうですが、歴史的3大レース制覇が見られるか。スタウト師の最終判断を信じましょう。あとはゴスデン厩舎のドビュッシー Debussy 、ルジェ厩舎のベーカバッド Behkabad 、ミーハン厩舎のデンジャラス・ミッジ Dangerous Midge がヨーロッパから。是非とも欧州の旗を揚げてもらいたいレースです。

⑧ クラシック。世界的には、と言うかアメリカ的には最注目のGⅠ。無傷の20何連勝とかいう怪物ゼンヤッタ Zenyatta の2連覇に注目が集まっています。彼女の行く先々には警備員がピタリとマークして大変なんだとか。ヨーロッパ勢は無理な挑戦は避けたようです。おっと、日本から果敢にチャレンジしているエスポワールシチーを忘れちゃいけません。11番枠です。16対1って7番人気くらいですか。何とか3着まで入ってくれるといいんですが・・・。

ということで今年のブリーダーズ・カップ、欧州的視点ではゴールディコヴァとワークフォースに尽きるみたい。例年より出走メンバーも少ないみたいだっしぃ~。

個人的にはベートーヴェン、ドビュッシー、ストラヴィンスキーなんて馬が出ているのが気になります。どれか勝ってくれればクラシック・ウォッチになるんだけどなぁ~。

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