春爛漫のメルボルン

ヨーロッパの平場シーズンはほぼ終わりました。従って競馬ネタはしばらくお休みになるはずですが、昨日は南半球からニュースが入ってきています。
イギリスの電子競馬新聞によれば、オーストラリアはフレミントン競馬場で行われたメルボルン・カップで、英国馬が惜敗だったそうです。

私は南半球の競馬はよく知りません。アメリカ以上に馴染みがありませんが、競馬場の雰囲気やレースそのものは素晴らしいと思います。元々イギリスの競馬が源流にあるわけですから。
アメリカは国土が広いくせに、競馬場は小回りでコセコセしてます。どの競馬場も似たりよったりで個性がありません。何故なんですかね。それに比べてオーストラリアははるかに広い競馬場で、ヨーロッパを髣髴させるものがありますし、コースごとのヴァラエティーにも富んでいます。

南半球は、今、春です。これからが競馬のシーズンでもあります。その最大のイヴェントがメルボルン・カップでしょう。2マイルという長距離戦に数多くの優れた馬が出走するのも魅力的です。今年の出走は21頭、左回りの芝コースです。イギリスのエプサム、日本なら府中競馬場を思い浮かべればよいでしょう。
かつては、北半球の馬が出走することなんて考えられませんでしたね。最近は日本からも遠征しているようですし、今年もイギリスとアイルランドからの挑戦がありました。

イギリスの期待はパープル・ムーン。8月23日の日記で紹介した、イボア・ハンデの勝馬です。一方アイルランドは、オブライエン厩舎がマーラーを送り込んでいます。オブライエン厩舎ではもう1頭、スコーピオンも遠征していたのですが、事前の調教で故障、競走生命を絶たれてしまったのです。
映像でも見ましたが、最終コーナーでマーラーが先頭に立った瞬間、外からパープル・ムーンが交わしました。そのまま逃げ切るかと思われたのですが、更に外から芦毛馬が急襲、結局エフィシエント Efficient という地元馬が勝ちましたね。パープルが2着、マーラーは3着でした。

パープル・ムーンはデーミアン・オリヴァーの騎乗、先頭に立つのが少し早過ぎた、と反省していましたが、この騎乗は責められないでしょう。オリーヴァー騎手、2年連続で2着なんだそうです。
調教師はルカ・クマニさん。イタリア人ですが、ニューマーケットで開業して随分長い人。メルボルン・カップの英国初制覇ならず、惜しかったですねぇ。

マーラーはステファン・バスター騎乗。オブライエンさん、彼の騎乗を絶賛してます。来年もマーラーで再挑戦する意向で、次はもう1頭、新たな挑戦馬と共にオーストラリア入りするのは確実のようです。
勝ったエフィシエントは、去年のヴィクトリア・ダービーに勝った実力馬。ただ、ダービーの後は勝ちがなく、去年のメルボルン・カップはレース直前に取り消したのだそうです。騎手はマイケル・ロッド、見事な差し脚でした。
オーナー氏にとっては3度目のメルボルン・カップだったそうで、今日はテレビ観戦だったとか。
エフィシエントの血統は、父がザビール Zabeel 、母はリフューズド・ザ・ダンス Refused The Dance といい、どちらもニュージーランド産馬です。

オーストララシアの競走馬は、断然ニュージーランド産が強い、これ常識です。恐らく馬の生産にはニュージーランドの方が適しているんでしょう。雨と日照に恵まれ、カルシウム分を豊富に含んだ水。今年もニュージーランド馬は強かった。
その血統も、世界の流行からはやや外れたところが魅力でして、ザビールの父はサー・トリストラム Sir Tristram 、その父はサー・アイヴァー Sir Ivor ですからね。エフィシエントにしても完全なアウトクロス、特定の馬のインブリードは一切ありません。

 

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