ニューマーケット開幕

4月14日、漸く世界の競馬のメッカであるニューマーケット競馬場の平場シーズンが開幕しました。例年のとおり二日間のクレイヴァン・ミーティング。
初日の昨日組まれたパターン・レースは、第5レースに当たるネル・グィン・ステークス(GⅢ、3歳牝、7ハロン)、今シーズンのイギリスでの最初の芝コース重賞競走でもあります。

良馬場に揃ったのは11頭。7対2の1番人気に推されたのは、2歳時にロックフェル・ステークス(GⅡ)で首差2着していたアタサリ Atasari でした。
実はロックフェルを制したミュージック・ショウ Music Show も出走してきたのですが、GⅡ勝ちのペナルティーである3ポンドの負担増が不安視されて、こちらは6対1のオッズでした。

レースはスルダ Srda 、ダイナ・ワルツ Dyna Waltz 、ジャクリーン・クエスト Jacqueline Quest の3頭がやや強いペースで引っ張ります。ジャクリーン・クエストは引っ掛かり気味。
ここから抜け出したのは流石にパターン・レース勝ち馬のミュージック・ショウ。前半は中団の内ラチで待機していましたが前が開かず、思い切って大外に持ち出しての追い込み。一気に先頭に立ったあと気を抜くようなところがありましたが、2着馬の猛追を半馬身差で差し返しての優勝です。
その2着は12対1のブルー・メドン Blue Maiden 、更に2馬身半差でプリンシパル・ロール Principal Role の順。
1番人気のアタサリは8着惨敗です。

ミュージック・ショウを見事勝利に導いたのはキーレン・ファロン騎手、彼ならではの剛腕が光りました。

調教師のミック・シャノンによれば、厩舎サイドではミュージック・ショウの今期初戦はニューバリー競馬場(フレッド・ダーリング)を予定していたそうですが、馬主(ジャブル・アブダラー氏)の意向でニューマーケットに変更された由。
勝ったミュージック・ショウは、これで5戦4勝。1000ギニーのオッズも8対1に上がりました。

一方、2着に食い込んだブルー・メドンはチャーリー・マックブライド厩舎。こちらはアイルランド1000ギニーを目指す意向のようです。

この日はパターン・レースではないものの、クラシックに向けて注目すべきリステッド戦が2鞍行われています。

一つは第4レースに組まれたヨーロピアン・フリー・ハンデキャップ(3歳、7ハロン)。7頭立てを制したのは、バリー・ヒルズ厩舎、マイケル・ヒルズ騎乗のレッド・ジャズ Red Jazz
スローペースが結果を左右したようですが、勝ったレッド・ジャズも2000ギニーに向かうかもしれません。本来は7ハロン向きという評価もあるのですが、去年のジュライ・ステークス以来という休養明けを問題としなかったあたり、馬の成長も大きかったのではないでしょうか。

もう一つのリステッドは、第6レースに組まれた9頭立てのファイルデン・ステークス(3歳、1マイル1ハロン)。
ここには現在の時点でオークスの1番人気に支持されているタイムピース Timepiece が出走してきて注目されたのですが、スタートの出遅れも災いして残念ながら4着敗退。
代わって主役の座に躍り出たのが、マーカス・トレゴーニング厩舎のルマウシュ Rumoush 。リチャード・ヒルズ騎乗で2着に2馬身半差を付ける圧勝でした。
この新星はこれで2戦2勝の無敗。去年の1000ギニー馬ガナーティ Ghanaati の半妹という良血も手伝い、オークスの1番人気に急上昇してきました。

以上、英国の平場シーズンもいよいよ本格的に始まりましたが、早くも本番に向けて有力馬たちが出揃ってきた感があります。

 

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