サンダウンの4月開催2日目

サンダウンの二日目は障害レースとの混合開催で、一般的な人気はむしろジャンプの方に集まっていました。が、私のレポートは平場のパターンレース二鞍です。

最初はベット365マイルとなっていますが、昔からのサンダウン・マイル(GⅡ、4歳上、1マイル14ヤード)で通っているマイル戦です。今シーズンのマイル戦線の口火を切る重要な一戦と言えるでしょう。
スポンサーになっているのが Bet 365 という企業。詳しくは知りませんが、ブックメーカーでしょうね。

歴戦の古馬マイラー9頭が出走、11対10の1番人気を集めた前年の覇者パコ・ボーイ Paco Boy が人気どおり圧勝しています。
2着は3馬身4分の1差で16対1のプレッシング Pressing 、更に1馬身半でザ・チェカ The Cheka が3着。

レースはキャット・ジュニア Cat Junior が逃げ、これをプレッシングとボーダー・パトロール Border Patrol が追走する展開。リチャード・ヒューズ騎乗のパコ・ボーイは自信満々、中団で待機する作戦です。

ゴール前1ハロン、勝負所でヒューズがゴーサインを出すと、反応は一瞬でした。あっという間に先行馬を交わし、騎手は鞭を使うことなく(アンズ・アンド・ヒールズ)楽勝しました。

パコ・ボーイは、最初にも書いたとおり2年連続制覇。去年7月のサセックス・ステークス以来269日振りの実戦でした。
また2着のプレッシングも去年のロッキンジ・ステークス(5月)以来でしたし、3着のザ・チェカも去年7月以来の出走。長期休養明けの馬が上位を独占する結果となりました。

調教師リチャード・ハノンとリチャード・ヒューズ騎手のコンビは2008年のメジャー・カドー Major Caseaux でもサンダウン・マイルを制しており、何と3連覇ということになります。
更にハノン厩舎は2004年と2005年にもハリケーン・アラン Hurricane Alan で連覇を達成しており、このレースは通算5勝目になるのですね。

続いてゴードン・リチャーズ・ステークス(GⅢ、4歳上、1マイル2ハロン7ヤード)。往年の名騎手の名を冠した中距離戦です。

7頭が出走。人気は割れて、クラウデッド・ハウス Crowded House とラーヘブ Laaheb が並んで9対4の1番人気に支持されていました。

人気の一角ラーヘブがレースを引っ張りましたが、直線でバテ、代わってグラス・ハーモ二ウム Glass Harmonium が鋭く伸びて先頭に立ちます。
ライアン・ムーア騎手の手応えからそのまま楽勝かと思われましたが、最後方からレッドウッド Redwood が激しく追い込み、最後は両馬の首の上げ下げ。スリリングな接戦を制したのは、結局グラス・ハーモ二ウムで頭の差。
3着には4馬身半差が付いてラーヘブが流れ込んでいます。人気を分けたクラウデッド・ハウスは4着敗退。

グラス・ハーモ二ウムは、古馬をトップクラスに成長させることには定評のあるサー・マイケル・スタウトの管理馬。
師によれば、春先はやや調整に遅れがあったものの、この一叩きで更に良化が見込めるだろうとのこと。取り敢えずはカラー競馬場のトトソル・ゴールド・カップを目標にする由。

また2着に食い込んだレッドウッドは、去年のダンテ・ステークス以来という復活劇。この馬は、この日のレースから判断しても1マイル半が適距離。今後はクラシック・ディスタンス路線を賑わすでしょう。

さて、スタウト伯楽にとってゴードン・リチャーズは実に7勝目となります。しかも2008年から数えてムーア騎手共々三年連続の優勝となり、サンダウン・マイルと全く同じ、同一調教師と同一騎手による3連覇という偉業達成となりました。
これまでの優勝歴を掲げると、

1981年 ハード・フォウト Hard Fought
1990年 ドルプール Dolpour
1996年 ジングシュピール Singspiel
2000年 リトル・ロック Little Rock
2008年 アスク Ask
2009年 タータン・べアラー Tartan Bearer
2010年 グラス・ハーモ二ウム Glass Harmonium

ということになります。

このリストを見て“あっ”と思った人はメリーウイロウの競馬日記を良く見ている方。そう、2000年のリトル・ロックは、皐月賞馬ヴィクトワールピサの2代母の産駒にあたりますよね。
日本とも縁の深いスタウト爺さんではあります。

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