サガロ・ステークス+

昨日はアスコット競馬場でのシーズン最初のパターン・レースが行われました。名ステイヤーの名を冠したサガロ・ステークス(GⅢ、4歳上、2マイル)。

10頭が出走し、9対2の1番人気に支持されたのは去年のジョッキー・クラブ・カップ勝馬のアクマル Akmal でした。

レースは6歳の芦毛馬アージェル Aajel が快調に飛ばし、追走馬群からこれまた芦毛のイレクトロライザー Electrolyser が抜け出し芦毛のワン・ツーかと思われた瞬間、後方から7歳馬イラストリアス・ブルー Illustrious Blue が一気の末脚を爆発させて快勝しています。

2着は半馬身差で逃げ粘ったアージェル、更に1馬身差3着にイレクトロライザーの順。
本命アクマルは直線で一旦2番手に上がるも失速、7着に沈みました。

イラストリアス・ブルーの賭け率は16対1で、小波乱と言えるでしょうか。
実はイラストリアス・ブルーは去年グッドウッドでグローリアス・ステークスに勝っており、これがGⅢ2勝目。しかしなから2マイルという長距離は初挑戦で、年初からステイヤー路線へのチャレンジを決めていたウイリアム・ナイト調教師の思惑が見事に的中した形です。

ナイト師は第1レースであるリステッド戦(パラダイス・ステークス)をキング・オブ・ディクシー King of Dixie で制しており、この日のビッグ・ダブルを達成しました。師にとってはこれがアスコット初勝利でもあり、信じられない思いだったでしょうね。“いつもこんなに上手く行けばいいんだが・・・”

騎乗したのはジム・クロウリー、彼にとってもサガロ・ステークスは初勝利となります。

陣営ではこのままステイヤー路線を進み、次はヨークシャー・カップを予定しています。残念ながらアスコット・ゴールド・カップへの登録はなく、登録そのものも締め切られていますからGⅠ挑戦はまだ先のことになるでしょう。

2着に健闘したアージェルは、ここ2年間で一度しか走っていなかった馬。この馬の今後にも要注意です。

さて、4月に予定されていた英愛仏のパターン・レースは全て終了しましたが、一つ紹介漏れがありました。
4月22日にフランスはサン=クルー競馬場で行われたペネロープ賞(GⅢ、3歳牝、2100メートル)。
当初発表のスケジュールが変わったようですが、正確な経緯は把握していません。レースのレポートそのものが無いので、成績書に記載された事実からのみの紹介です。

このレースは、フランスのカレンダーで最初の仏オークス・トライアルになるもの。しかし、ここから仏オークス馬となったのは1976年のポーニーズ Pawneese くらいのもので、実際にはあまりクラシックには繋がっていません。

今年は10頭が出走。どうやら先行2頭が前で残っていますから、所謂「行った行った」の競馬になったみたい。

勝ったのは2番手を追走したダリオール Dariole 、中団から追い上げた1番人気(5対2)のミドル・クラブ Middle Club と逃げたア・メディア・ラズ A Media Luz が首差で2着同着。つまりゴールでは3頭が横一線の大接戦だったことになります。
優勝馬のオッズは87対10。2着惜敗のミドル・クラブは、リチャード・ハノン厩舎がイギリスから遠征した馬。

勝ったダリオールはパスカル・ベイリー厩舎の管理馬で、騎手はグレゴリー・ブノワという人。ベイリー師は1997年のブリリアンス Brilliance に次いでペネロープ賞2勝目となります。

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