2010優駿牝馬(日本オークス)のプロフィール
愛ギニー馬のプロフィールを紹介する前に、日本のクラシック馬を取り上げましょう。
先日のオークスは、アパパネとサンテミリオンの同着という劇的な幕切れになりました。アパパネについては既に取り上げましたので、もう1頭のサンテミリオンのプロフィールです。
その前に「同着」については以前に雑談風に紹介したことがあります。こちらも序に参考にしてください。↓
http://merrywillow.blog35.fc2.com/blog-entry-19.html
もう一つ、サンテミリオンの英名表記は「Saint Emilion」なんですねぇ~。つまり、リエゾンですな。
因みに「St.Emilion」はフランスのボルドー地方の地名で、ここ産のワインの銘柄でもある由。辛口の赤ワインなんだそうです。
これも知りませんでした。いろいろ勉強させてもらいます。こういうのを「雑学」って言うんでしょ。
http://www.pedigreequery.com/saint+emilion12
さて本題。
日本のオークスを同着で制したサンテミリオンは、父ゼンノロブロイ、母モンテック Monteck 、母の父ラスト・タイクーン Last Tycoon という血統。
この牝系はフランスで育まれてきたファミリーで、その意味ではワインとも通ずるところがあるのかも知れません。
母モンテックは、記録によると1月1日生まれということになっています。血統とは関係のない話ですが、ま、これも雑学のネタということにしておきましょか。
競走成績はもちろんフランスで、18戦4勝。入手の経緯などは知りませんが、社台ファームの吉田照哉氏の勝負服で走った馬です。
現役時代の調教師はエリー・ルルーシュ師、レースではデイヴィー・ボニラが騎乗することが多かったようです。
3歳の5月にシャンティー競馬場の2200メートル戦で初勝利。その年には9月から10月にかけて2000メートル前後の距離で3連勝し、勝鞍の中では何といってもGⅢのフロール賞を制したことが光っています。
4歳時には勝鞍はありませんが、コリダ賞(昨日の日記で紹介しました。モンテックが出走した1999年当時はGⅢ)で3着というのが最高の成績でしょう。
この成績から想像されるのは、やはり2000メートル前後が最も実力を発揮できる距離だったのではないか、ということ。
因みに成績書を見ると、フロール賞は中団に待機し、直線で追い込んでの勝利だったようです。
モンテックは競走成績を終えた2000年の春にジングシュピール Singspiel に種付けし、そのまま社台ファームに輸入されます。以下、現在までの産駒成績を列記すると、
2001年 モーディッシュ 鹿毛 牝馬 父ジングシュピール 未勝利
2002年 ヴィクトリーモーン 黒鹿毛 牡馬 父サンデーサイレンス 未出走
2003年 ライトモチーフ 鹿毛 牝馬 父アグネスタキオン 未勝利
2005年 ブラックルーラー 黒鹿毛 牡馬 父フジキセキ 1勝
2006年 テクニカルラン 鹿毛 牝馬 父アグネスタキオン 2勝
2007年 サンテミリオン 黒鹿毛 牝馬 父ゼンノロブロイ 4勝
2008年 モータウンサウンド 鹿毛 牡馬 父ネオユニヴァース 未出走
(2010年5月現在)
ということで、6番仔(2004年産は不明)のサンテミリオンが最初のGレース勝馬となります。モンテックの子供には牝馬が多いので、これからの同ファミリーの活躍が期待されましょう。
サンテミリオンの2代母は、スダカ Sudaka (1986年生まれ、父ガルデ・ロワイヤル Garde Royale)。彼女の競走成績も一流とまでは評価できないものの、堂々たるパターン・レースの勝馬です。
即ちオークスのトライアル戦の一つであるクレオパトラ賞(サン=クルー競馬場のGⅢ)に勝ち、フランス・オークスに挑戦しましたが、ここは相手が強く、14頭立てのドン尻負けを喫しています。
秋にはヴェルメイユ賞にも挑戦し、5着に健闘。といっても7頭立てのレースですから、力及ばずということでしょうね。
スダカの産駒ではやはりモンテックが出世頭のようで、他に目立った馬は出ていません。彼女の娘たちからも特記するほどの活躍馬は出ていないようです。
3代母のディディア・クララ Didia Clara (1978年生まれ、父シー・ブレイク Sea Break)の競走成績は不明ですが、特筆するものはなさそう。
ディディア・クララの娘(スダカの半妹)ラ・ファヴォリータ La Favorita はオペラ賞(GⅡ)で2着した他に4勝の実績があり、産駒からはアメリカでステークス勝馬となったマン・アマング・メン Man Among Men などが活躍しています。
このファミリーを更に遡れば英国のポリー・アグネス Polly Agnes 系に行き着きますが、近年ではここに紹介した馬たちが代表産駒と言えるでしょう。
3代続けて重賞競走に勝ったファミリーで、特に牝馬の活躍が目立ちます。クラシック馬としては、サンテミリオンが最近の代表作。
ファミリー・ナンバーは、16-g 。
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