先週末の感動

日時は後先になりますが、先週末の体験を簡単に記録しておきます。これは書かない積りでしたが、記録のためと思い直した次第。

5月29日の土曜日、クァルテット・エクセルシオの試演会に参加。いつもの恵比寿ではなく、今回は初めの会場となる奥沢の個人宅で開催されました。

6月に行われる第19回定期の曲目で、試演会そのものは第14回です。東急大井町線の九品仏駅に近い閑静な住宅街にある個人宅の響きの素晴らしいサロン、室内楽を聴くには理想的な空間でした。

参加者は20名以上、これまでで最も多かったような気がします。ただし常連さんは意外に少なく、今回が初参加という皆さんが数多くおられました。いつものメンバーの多くは、同日に行われた第一生命ホールのミロ・クァルテットを聴きに出掛けたんでしょうか。

曲目や演奏については本番をレポートすることにして、試演会のエピソードを少し。

終演後は例によって茶(酒)話会になりましたが、初顔合わせの皆さんが実に新鮮でした。相当な室内楽マニアや自分でも楽器を演奏する会員もいて、自己紹介兼感想披露会はかなりの高レヴェル。
こうした形で着実にファンを増やしているエクは幸せでしょう。

個人的にはベートーヴェンの作品130のカヴァティーナに大感動。自分の葬儀にはこれを流したいと口走ってしまうことに。ところがこれに賛同される方が何人もいて、妙な話題でサロンも賑やかになっていました。

翌5月30日は蒲田のアプリコへ。隣町に広上淳一と読響が来演するのを聴き逃す手はありません。日本ダービーはほったらかして出掛けました。

アプリコ・オーケストラ&バレエ・シリーズの第1回目だそうで、こんな内容です。

チャイコフスキー/バレエ音楽「くるみ割り人形」ハイライト
     ~休憩~
チャイコフスキー/交響曲第5番
 管弦楽/読売日本交響楽団
 指揮/広上淳一
 バレエ/スターダンサーズ・バレエ団

ま、クラシック初心者でも楽しめる内容で、オーケストラの前でバレエが演じられる一粒で二度おいしいコンサート。気軽に出掛けましたが、これがどうして感動モノでしたね。

くるみ割りは10曲がハイライトで演奏されました。ストーリーに沿ってコンパクトに纏められた優れもの。こんな順序です。

1.行進曲
2.情景
3.戦闘の情景~冬の樅の森
4.美しいお城
5.金平糖の踊り
6.スペインの踊り<チョコレート>
7.中国の踊り<お茶>
8.ロシアの踊り<トレパック>
9.花のワルツ
10.終曲とワルツのアポテオーズ

最初は大人しく見ていた客席も、次々に繰り出される華麗な妙技に次第に乗せられていきます。
オーケストラも堂々たる名演。舞台だけでなく指揮台の広上のダンスもいつも以上に盛り上がり、予期した以上に感動的な体験でした。

後半の交響曲も手抜きなど一切なし。オーケストラも一部を除いて首席奏者が勢ぞろいした豪華版でした。
因みにコンサートマスターは藤原浜雄、フォアシュピーラーが鈴木理恵子ですよ。ヴィオラの頭は鈴木康浩だし、チェロは毛利伯郎。

広上も指揮棒は使わず、読響のパワーを最大限に引き出していました。第2楽章の中程で拍手が起きたのは、客席があまりの熱演に圧倒されたからでしょう。

アンコールのくるみ割り第2幕14番のパ・ド・ドゥがまた飛びっきりの見事さで、ホールは大きな感動に包まれました。

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