2010クラシック馬のプロフィール(7)

オークス馬に続いてダービー馬を取り上げましょう。

2着に7馬身差を付け、レコード・タイムで勝ったワークフォースの評価は鰻昇りです。
最も信頼できるレーティングで名高いタイムフォームは、今年のダービーそのものを132と評価しました。去年のダービーにおけるシー・ザ・スターズ Sea The Stars の評価が126だったことを考えれば、ワークフォースの評価が如何に高いかお分かり頂けるでしょう。
今後ワークフォースがシー・ザ・スターズと同じ程度の成長を遂げれば、年度評価がいくつになるのか楽しみでなりません。

ワークフォース Workforce は、父キングズ・ベスト King’s Best 、母ソヴィエト・ムーン Soviet Moon 、母の父サドラーズ・ウェルズ Sadler’s Wells という血統。

母ソヴィエト・ムーン(2001年生まれ)は未出走馬で、ワークフォースは3番仔になります。

ソヴィエト・ムーンの初仔ロケット・ローンチ Rocket Launch (2005年生まれ、父オアシス・ドリーム Oasis Dream)は牡馬、ギリシャで勝馬になったそうですが、詳しい成績は不明です。

2番仔イクストリーム・インパクト Extreme Impact (2006年生まれ、父ロック・オブ・ジブラルタル Rock Of Gibraltar)はせん馬で、3歳時アイルランドで3戦して2800メートル戦で入着しました。4歳の今年は現在までのところ4戦1勝。勝鞍はチェプトウ競馬場の3200メートルでのもので、完全なステイヤーと呼べるでしょう。

2代母エヴァ・ルナ Eva Luna (1992年生まれ、父アレッジド Alleged)自身も4歳でデビューした奥手馬で、9戦4勝。4歳時にパーク・ヒル・ステークスに優勝してイギリスの最強古馬牝馬に選ばれたステイヤーです。

エヴァ・ルナの産駒には、2003年のセントレジャー馬ブライアン・ボルー Brian Boru (2000年生まれ、父サドラーズ・ウェルズ)と、ロワイヤリュー賞(2600メートル)に勝ったムーン・サーチ Moon Search (1999年生まれ、父レインボウ・クエスト Rainbow Quest)があり、母子ともにステイヤー血統。ソヴィエト・ムーンは、そのエヴァ・ルナの3番仔に当たります。

エヴァ・ルナの産駒を更に続ければ、4番仔の牝馬キッティー・オシェアー Kitty O’Shea (2002年生まれ、父サドラーズ・ウェルズ)は2戦2勝の無敗馬で、アイルランドのパーク・エクスプレス・ステークス(8ハロン)の勝馬。
そして5番仔の牝馬カシュナレンコヴォ Kushnarenkovo (2003年生まれ、父サドラーズ・ウェルズ)も1勝馬ながら、パターン・レースでの入着(ノーブレス・ステークス)実績があります。

即ちワークフォースの母は、ブライアン・ボルー、キッティー・オシェアー、カシュナレンコヴォとは全姉妹、ムーン・サーチとは半姉妹の関係にあります。

3代母メディア・ルナ Media Luna (1981年生まれ、父スター・アピール Star Appeal)もまた長距離クラシック路線に乗り、オークスは首差の2着に惜敗した馬。
更にメディア・ルナの半姉妹スーニ Suni (1975年生まれ、父クレペロ Crepello)もオークス3着馬という具合。

エヴァ・ルナの半姉に当たるルージャー Rougeur (1989年生まれ、父ブラッシング・グルーム Blushing Groom)はアメリカでステークスに勝ち、繁殖牝馬としてもケンタッキー・オークスのフリュート Flute を出しているなど、この牝系は少し遡っただけでもクラシックで活躍した馬が続々と登場してくる華やかさなのです。
ワークフォースは、出るべくして出たダービー馬と言うべき血統を背負った名馬と断言しても良いでしょう。

ファミリー・ナンバーは、14-C 。いわゆるプリティー・ポリー Pretty Polly 系で、この基礎牝馬にまで遡れば、サイディウム Psidium やセント・パディ St Paddy と、既に2頭のダービー馬を輩出している牝系です。

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