強者弱者(123)

 新茶のかをりゆかし。多摩川の鮎漁始まる。風月の二階など、我も人も型のやうに鮎のフライを呼ぶは此頃なり。東京に集まる鮎は多摩川、荒川、相模川、酒匂川より来るもの多し。中、多摩川を以って最上とし、荒川之に次ぐ、酒匂川の鮎には一種の臭味ありといふ人あり。

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多摩川は昔から鮎の名所でした。流石に一時期は上水道の整備と汚染で鮎はいなくなりましたが、最近では浄化により若干ながら戻りつつあるようです。

先日のテレビで、多摩川の水温が上がり、捨てられた外国の魚が棲める状態だという報道がありました。アマゾン河に棲む種類もいて、多摩川ならぬ「多摩ゾン川」だとか。生態系は大丈夫なんでしょうか。

調べがつきませんでしたが、恐らく「風月」は多摩川に面した料亭だろうと思われます。

私も子供の頃は釣り好きの親父に連れられて鮎釣りに行きましたが、専ら酒匂川でした。明治時代には酒匂川の鮎が敬遠されていたとは知りませんでしたね。

東京一とされた多摩川の鮎が復活する日があるのでしょうか。

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