2010ジュライ・ミーティング2日目
ニューマーケットのジュライ・ミーティング、2日目のパターン・レースは3鞍です。
まず去年からパターン・レースに格付けされているバーレーン・トロフィー(GⅢ、3歳、1マイル5ハロン)。3歳馬による長距離戦、まだ大分先ですがセントレジャーへのトライアルとなる一戦です。
7頭が出走、前走ロイヤル・アスコットのクィーンズ・ヴァースで4着したコーシカ Corsica が15対8の1番人気に支持されていました。
レースはハリス・トゥイード Harris Tweed がラチ添いに逃げ、コーシカは2番手をマークして進みます。
直線、ハリス・トゥイードだけがラチ添い一杯に経済コースを取ったのに対し、コーシカが先導する他馬のグループは馬場中央から追い上げる展開。
しかし最後はコーシカが力で捩じ伏せるように、粘るハリス・トゥイードに4分の3馬身差を付けて優勝。3着には5馬身の大差が付いてコーカス Caucus が入りました。
コーシカはマーク・ジョンストン厩舎の管理馬、鞍上はランフランコ・デットーリ。
勝ったコーシカと2着のハリス・トゥイード、実は先日マッセルバラ競馬場で行われたエディンバラ・カップというハンデ戦で対戦したばかり。その時は両馬のハンデ差が10ポンドもあり、軽量のハリス・トゥイードが勝ってコーシカは3着(5馬身差)に敗れていました。
今日は同斤ということもあり、力に勝るコーシカが順当に勝ったと言えるでしょう。1番人気はそれ故でもありました。
コーシカは、グレート・ヴォルティジュール・ステークスからセントレジャーに向かう予定。この勝利で最後のクラシックに向け16対1のオッズが出されました。
続いては2歳戦のジュライ・ステークス(GⅡ、2歳、6ハロン)。
出走馬は僅かに5頭、ロイヤル・アスコットのコヴェントリー・ステークスで2着に入ったエルザーム Elzaam が4対7の被った1番人気に支持されています。
しかしエルザームは期待に応えられず、スタート良く飛び出したリブラーノ Libranno が鮮やかに逃げ切ってしまいました。10対1の4番人気。
スタートで出遅れ、後方から進んだニーブラス Neebras が追い上げて4分の3馬身差2着。更に3馬身半離された3着に漸く本命エルザームの順。
ロイヤル・アスコットのノーフォーク・ステークスに勝って3番人気に支持されていたアプルーヴ Approve も4着敗退です。
終わって見ればこれまたリチャード・ハノン厩舎の管理馬。今日のコンビはライアン・ムーアの騎乗でしたが、2歳戦に強いハノン師の面目躍如でしょう。
リブラーノは5月のニューマーケットの新馬戦に勝っており、これで2戦2勝。来年の2000ギニーに20対1のオッズが出されましたが、ハノン陣営ではコヴェントリーの覇者ストロング・スート Strong Suite を上位に見ていることは間違いないでしょう。
なおこの日、ハノン/ムーアのコンビは第5レースにも勝ってダブルを完成させています。
最後はこの日のメインとなるプリンセス・オブ・ウェールズ・ステークス(GⅡ、3歳上、1マイル4ハロン)。
8頭立ての1番人気(11対8)に推されたのは、これが英国でのレースが15か月振りとなるスタウト厩舎のスパニッシュ・ムーン Spanish Moon です。
同馬は一昨年11月にケンプトンのリステッド戦に勝った後フランスでサン=クルー大賞典に勝ってGⅠホースとなり、以来ブリーダーズ・カップ、香港、ドバイと転戦してきた6歳の古豪。
しかしここでも本命馬は一息足りず、小波乱の結果となりました。
勝ったのは、タジーズ Tazeez の逃げを後ろから2番目で待機していたサン・フロンティエ Sans Frontieres 。14対1と人気を落としていましたが、久し振りに本領を発揮しての快勝です。
2着は2馬身半差で、これまた人気薄のレッドウッド Redwood が入り、更に2馬身4分の1差でタジーズが3着逃げ残り。
本命スパニッシュ・ムーンは4着に沈みました。
サン・フロンティエはジェレミー・ノセダ厩舎、鞍上は先週エクリプス・ステークスを射止めたトム・クィーリー騎手です。
サン・フロンティエは去年のロイヤル・アスコット目前で故障、今年の4月にレースに復帰していた馬です。GⅢ戦で6着を2度続けたあと前走ロイヤル・アスコットのハードウィック・ステークスで4着し、漸く復調の兆しが見えたところでした。これが本来の走りでしょう。
クィーリー騎手、この日は第3レースの勝利と合わせてダブル達成です。
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