強者弱者(136)
赤坂、麻布
或好事家のいへることあり。電車に乗りて眼を楽しましめんとせば、銀座四丁目より青山行に乗る可し。美人にもあれ醜婦にもあれ、扮装の華美なる他線に類を見ずと。斯言蓋し眞なり。果然、麻布赤坂は山の手に於ける奢侈の中心地なり。
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前回の続編と言うべき一遍です。
銀座四丁目から青山行というのは、恐らく当時の東京市街鉄道(俗称、街鉄)のことかと思われます。明治末年の東京電車線路については、シリーズ(124)でも紹介しました。そちらも参考にしてください。
この路線は、現在なら地下鉄銀座線に相当するでしょう。
いずれにしても、東京も各地区によって市民の雰囲気が異なっていたというのは面白いことで、現在ではそうした地区による特色は薄れてしまいました。画一化というか、街の個性が無くなったと言うべきか。
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