今年もトーマス・ブライアン賞

昨日の木曜日、サン=クルー競馬場でトーマス・ブライアン賞(GⅢ、2歳、1600メートル)が行われました。このレースについては去年も紹介しましたが、まだキャリアが浅いものの能力を秘めた馬にとっての試金石ともなるレースです。

日本との関係だけ見ても、エイトラックス Atrax (1959年)、ノーザン・テースト Northern Taste (1973年)、ベリファ Bellypha (1978年)、ヌレエフ Nureyev (1979年)などの馴染ある馬たちが勝馬に列している一戦。

去年は4頭立てでしたが、今年も1頭が取り消して5頭立てという少頭数で争われました。出走馬中唯一の牝馬ポンテヌオーヴォ Pontenuovo はカブール賞(GⅡ)に勝ち、前走モルニー賞で3着した馬。パターン・レース勝ちのペナルティーを加えて、他の牡馬と同斤量を背負っています。

しかし1番人気は6対5のマクシオス Maxios 。前走ロンシャンの同じ1600メートルで、2着に4馬身差を付けて圧勝した新星です。

レースは、これが7戦目と経験豊かなプライヴェート・ジェット Private Jet の逃げで始まり、3番手の外を追走したマクシオスはエンジンの掛かりがやや遅かったものの、最後の1ハロンで加速、ゴール前100メートルで逃げ馬を捉えた所がゴール。着差は短頭差でした。

2馬身半差3着は、ゴドルフィンの期待馬グラン・ヴァン Grand Vent 。もう1頭のゴドルフィン組シューティング・ギャラリー Shooting Gallery は6馬身離され4着、牝馬ポンテヌオーヴォはドン尻敗退に終わりました。

これで2戦2勝のマクシオスはジョナサン・ピアース厩舎の管理馬で、クリストフ・ルメールの騎乗。
父はモンスン Monsun 、凱旋門賞馬で日本でも供用されているバゴ Bago の半弟という良血。オーナーも生産者も二アルコス・ファミリーという逸材です。

今シーズンはこれで終戦の予定ですが、レース後の状態によっては同じサン=クルーのクリテリウム・インターナショナルかクリテリウム・ド・サン=クルーに出走する可能性も残されているようです。
特に前者は兄・バゴが制したレースだけに、因縁あるGⅠ戦。

この日トレブルを達成したルメール騎手ですが、来シーズンはアガ・カーンの主戦騎手として契約することが決まっていますので、来年はマクシオスには別の騎手が選ばれる予定です。

早々と、登録のある来年のダービーに33対1のオッズを出したブックメーカーもありますね。

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