100周年のメゾン=ラフィット杯

昨日はフランス、メゾン=ラフィット競馬場でクープ・ド・メゾン=ラフィット Coupe de Maisons-Laffitte (GⅢ、3歳上、2000メートル)が行われました。
クープは英語のカップに相当し、「杯」のこと。メゾン=ラフィット杯とでも言えましょうか。創設は1906年で、当時は賞品として著名な彫刻家の手になる豪華なカップが贈られていました。創設時のレース名はクープ・ドール、即ち「金杯」だったのですね。
その後は賞品もより手頃な芸術作品に変わり、レース名も変更されましたが、距離の2000メートルには変更がありません。第一次世界大戦時代に5回、第二次大戦で2度の中断があり、今年は丁度100回の節目を迎えました。メゾン=ラフィット競馬場の長い直線距離で行われる一戦。2000メートルという微妙な距離が、凱旋門賞トライアルでもあり、より短い距離の(例えばドラー賞)ステップともなり得るGⅢ戦です。

今年の馬場は good 、3歳馬の出走は無く、古馬5頭が出走してきました。1対2の1番人気に支持されたのは、去年の仏ダービー馬リライアブル・マン Reliable Man 。去年の凱旋門賞では15着(16頭立て)と惨敗に終わりましたが、今期はキング・ジョージで4着、陣営としては凱旋門賞での巻き返しを図ってのトライアルでしょう。

レースはドイツ馬キニンド Quinindo が逃げ、リライアブル・マンは3番手を進みます。先手を取ったのはレース半ばから2番手に上がった2番人気(42対10)のマクシオス Maxios 。これにリライアブル・マンが並び掛けようとしましたが、最後は差が詰まらず、マクシオスがリライアブル・マンに1馬身半差を付けて優勝。更に2馬身差でサガ・ドリーム Saga Dream が3着。
マクシオスの父は先日死去したドイツの名種牡馬モンスン Monsun ながら、ニアルコス・ファミリーの持ち馬でジョナサン・ピース厩舎所属のフランス4歳馬。ステファン・パスキエ騎乗で、2歳の秋にサン=クルーでトーマス・ブライアン賞(GⅢ)に勝って以来のG戦勝利。今期はロンシャンとフォンテンブローでの勝鞍がありますが、夫々一般戦とリステッド戦でのもの。パターン・レースは2勝目となります。
血統にも注目で、2004年の凱旋門賞馬で日本に輸入されたバゴ Bago の半弟(バゴの父はナシュワン Nashwan)。ただこの馬はレース間隔を空けないと力を発揮できないタイプで、次走はむしろドラー賞ではないかと予測されます。回復に時間が掛かるのは父モンスンと共通している由。

一方2着のリライアブル・マン、3歳時パリ大賞典ではメアンドル Meandre の3着に負けましたが、古馬となった現在は2400メートルにより適した馬。ここをステップに凱旋門賞に向かうものと思われます。昨年の雪辱を果たせるか。
因みに去年タイムフォームが算定した評価は、メアンドルと同一の124ポンド(オルフェーヴルより3ポンド下)でした。狙い目は、むしろその後のカナダ国際か。

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