残り2週のロンシャン

昨日の日曜日、凱旋門賞が終わって2週目の週末は2鞍のパターン・レースが組まれていました。

コンデ賞(GⅢ、2歳、1800メートル)は、2歳馬の1800メートル戦。去年も紹介していますが、フランス特有の2歳馬のための距離が長い一戦です。
毎年ここを制する馬にはダービーへの期待がかけられますが、最近はあまりクラシックには繋がっていません。去年の勝馬も同じ。今年はどうでしょうか。

1頭取り消して5頭立て。ゴール前は3頭が並ぶ接戦でしたが、6対5の1番人気に応えたプレーリー・スター Prairie Star は余裕ある楽勝でした。
2着は首差でバブル・シック Bubble Chic 、更にハナ差で差の無い2番人気(6対4)に支持されていたクレーム Kreem 。

プレーリー・スターはエリー・ルルーシュ厩舎、アンソニー・クラスタス騎乗で、これで4戦3勝2着1回とほぼパーフェクトな成績。終始2番手を進み、直線半ばで先頭に立つ安定したレース振りでした。
着差こそ僅かでしたが、馬の将来を見据えて必要以上には追わなかったためでしょう。

同馬の4戦は、シャンティー、ドーヴィル、サン=クルー、そしてロンシャンと、パリ地区を代表する全ての競馬場を経験したことになります。(ドーヴィルのみ2着)
今シーズンはこれで終戦ではなく、11月13日に行われるフランス平場最後のGⅠ戦クリテリウム・ド・サン=クルーが予定されてる由。

もう一鞍がコンセイユ・ド・パリ賞(GⅡ、3歳上、2400メートル)。これも去年詳しく触れたように、凱旋門賞と同じコース、同じ距離で行われる一戦。残念凱旋門、断念凱旋門でもあります。

出走馬は7頭。去年は凱旋門賞14着の馬が出走してドン尻に敗れていましたが、今年も2週間前に14着だったティモス Timos が登場してきました。

しかし人気は去年のこのレースの勝馬で、2週前はドラー賞(GⅡ)を制したシラス・デ・ゼーグル Cirrus Des Aigles が13対10の1番人気。

期待を集めたシラス・デ・ゼーグルでしたが、直線で行き場を失う不利があり、最後に猛烈な追い込みを見せましたが短首差2着の惜敗です。不利が無ければ勝っていたと断言できるでしょう。正にアンラッキー。

優勝は3歳馬のプリンス・ビショップ Prince Bishop 、3馬身差3着にも3歳馬のシムラーン Shimraan が続きました。勝馬と2着馬の均量差が9ポンドもあったことも結果に左右したと思われます。
凱旋門賞のトライアルでナカヤマフェスタの次に入線したティモスは、ここは4着でした。

しかし81対10のオッズで勝ったプリンス・ビショップも決してラッキーだっただけではなく、前走プランス・ドランジュ賞(GⅡ、凱旋門賞のトライアルの一つ)を含めて4連勝。パターン・レース連勝の上がり馬です。この馬にとっては断念凱旋門賞となった形。
今回は騎乗停止中のマクシム・グィヨンに替ってオリヴィエ・ペリエが騎乗していました。

同馬は2歳時は未出走、今年7月のヴィシーで10馬身差圧勝劇を演じて注目を集めた逸材。ゴドルフィンの所有馬ですから、今シーズンはこれで終戦。冬場は暖かいドバイで過ごし、古馬として本格的にGⅠ戦線に挑んでくるでしょう。

ところで2着惜敗のシラス・デ・ゼーグルはジャパン・カップにも招待されていますが、陣営の発表では日本には向かわずに香港を目指す由。理由は距離が短い(2000メートル)香港ヴァーズの方が適性がある、とのことです。
昨日のレースなどを見ていると、距離が伸びた方が良さそうに思いますがねぇ~。

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