久し振りのSQWガレリア

秋晴れの日曜日、久し振りに晴海に出掛けました。漸く秋らしくなった一日、トリトンの第一生命ホールで行われるSQW(クァルテット・ウィークエンド)2010-2011“ガレリア”の第1回です。

第1回と言っても今シーズンは全部で3回しか無く、以前に比べて何とも寂しいシリーズになってしまいました。
ホールの都合なのか主催者の心変わりなのかは知りませんが、前シーズンまでのコアな姿勢は影を失い、出演団体は日本の代表的3団体のみ。曲目も、マニアックな傾向は跡形無く消え去っていました。

個人的には、これまでは「絶対に聴き逃せない」ものであったのが、「都合が付けば聴こうか」にガラッと変わってしまいましたわ。
それまでは予習して臨んでいたのに、今回はホールに着いてプログラムを開くまで曲目すら知らなかった体たらくです。

で、昨日は、

シューベルト/弦楽四重奏曲第14番「死と乙女」
     ~休憩~
シューマン/弦楽四重奏曲第3番 作品41-3
 エルデーディ弦楽四重奏団

副題が「シューベルト&シューマン、ロマンの胎動と爛熟」とあって、隅っこに「チラシの記載から曲順が変更になりました」と注意書きが書かれています。
副題(年代順)に合わせて変更したのか、ウチはシューマンが弾きたいのだ、という意思表示か?

ということで、定席に着いてから気持を切り替えます。方針が変わったせいか、これまでとは客席の雰囲気が少し変わったみたいで、若いカップルなども目立つ感じ。常連さんも相変わらずですが、少し数が減ったようにも見受けられます。

弦楽四重奏の定番「死と乙女」は、聴いてみれば惹き付けられます。最初はこちらのテレもあってやや硬い感じでしたが、変奏曲に耳を奪われ、フィナーレまで突き進めばシューベルトの仕掛けたデモーニッシュな世界に手に汗を握ってしまうのでした。

それ以上に素晴しかったのはシューマン。

エルデーディの得意とするシューマンは如何にも歌心に満ち、決して押しつけがましい所が無いのが聴く人を幸せにするようです。

ファースト蒲生克郷の個性でしょうか、音楽がいつもアウフタクト気味にさり気無く語りかけるのです。
まるでリートを聴いているように楽章が進み、あっという間に終わってしまう至福の時。

姿勢がどう、傾向がこう、と文句を言っても、やはり弦楽四重奏はいい。この日のように、真っ白な脳味噌にヒタヒタと迫ってくる弦の柔らかい響きに身を任せるのも楽しいものですね。

アンコールのメンデルスゾーン(第2番の第2楽章)も、次は全曲が聴きたくなるように後を引く味わい。

曲名を告げる蒲生氏が“メンデルスゾーンの・・・”とアウトタクトで始め、“全曲はロビーに展示してあります”と締めたのも微笑ましく、そのリラックスした語り口は、氏が書かれた曲目解説にも共通していました。

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