古典四重奏団~魅惑のトリコロール~
今日は晴海の第一生命ホールで古典四重奏団の演奏会が行われました。クァルテット・ウィークエンド2010-2011・ガレリアの最終回です。
この日も出掛ける決意を固めたのは正午頃。原子力発電所の状態も気になりますが、気持ちの切り替えも必要でしょう。聴いて良かった、という感想です。
「魅惑のトリコロール」と題されたプログラムは、
ラヴェル/弦楽四重奏曲
フォーレ/弦楽四重奏曲
~休憩~
ドビュッシー/弦楽四重奏曲
古典四重奏団
私も古典四重奏団を聴き始めて今年で10年目になりますが、彼らのフランスものを聴くのは初めてです。
フランスものと雖も当然ながら暗譜による演奏。レクチャー・コンサートや試演会などを経て、アンサンブルは完璧でした。フランス音楽としては完璧過ぎると言っても良いかも。
こういう状況では冷静な感想は書けませんが、真ん中で演奏されたフォーレが最も感動的だと思いました。やはり作曲者最晩年の作品だけあって、心の奥底に訴えるものが重いのです。特に第2楽章の瞑想的な音楽には「祈り」を思わずにはいられません。
いつもはアンコールをしない彼らですが、今回は全曲終了後直ぐに譜面台が用意され、田崎氏が短くスピーチ。“被災した皆様への想いが届くように” とバッハのコラールを捧げました。(オルゲル・ビュッヒラインの24番。O Mensch, bewein’ dein’ Sunde gross)
瞑想して聴いていましたが、涙が止まりません。終了後の拍手は無用だったかも・・・。
昨日の日本フィルでもそうでしたが、こんな時期にコンサートを開くことに意義を唱える方もあるでしょう。しかしどちらのコンサートも、音楽が人間に与える感動が如何に大きいか、また必要なものであるかに改めて思い至ります。
クラシック音楽は単なる娯楽ではありません。むしろこうした厳しい状況でこそ続けられなければならない哲学なのです。
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