フロリダ・ダービーはダイアルド・インが制す

日曜日のガルフストリーム・パーク競馬場はフロリダ・ダービーが行われる日、これに合わせて計四鞍のG戦が行われました

最初はスウェイル・ステークス Swale S (GⅡ、3歳、7ハロン)。3歳馬のみによる1985年創設の短距離戦ですが、レース名は1984年にフロリダ・ダービーに勝って2冠(ケンタッキー・ダービーとベルモント・ステークス)を制しながら、ベルモント制覇の8日後に急死した名馬に因んだもの。
今年の勝馬はトラヴェリン・マン Travelin Man 。5頭立て。これがまだ3戦目というキャリアの浅い馬にも拘わらず2対5という法外な1番人気に応え、2着に2馬身差を付けての優勝です。同厩の逃げ馬ラズマタズ Razmataz をピタリとマーク、鞍上ジョン・ヴェラスケスは直線では後ろを見る余裕でした。
同馬を管理するトッド・プレッチャー調教師は、土曜日の二つのG戦に続く優勝で、Gレース3連勝の快進撃です。

続いてはアップルトン・ステークス Appleton S (芝GⅢ、4歳上、8ハロン)。芝コースで行われる古馬のマイル戦です。
今年の勝馬はリトル・マイク Little Mike 。8頭立て。快足を活かしての逃げ切り、今年のガルフストリーム開催で三つ目となるGⅢ勝ちです。
連勝のスタートとなったフォート・ローダーデール・ステークス(GⅢ)はアレン・イウィンスキ厩舎所属でしたが、この勝利の後デール・ロマンス厩舎に転じ、前走カナディアン・ターフ・ステークス(GⅢ)に続く連勝で11対10の1番人気に応えました。
勝利騎手はジョー・ブラーヴォ。

三つ目はスキップ・アウェイ・ステークス Skip Awaw S (GⅢ、4歳上、9.5ハロン)。レース名は1998年のアメリカ年度代表馬から。
今年の勝馬はエス・エス・ストーン S S Stone 。11頭立て。G戦は初勝利ですが、ガルフストリームはこれで4戦4勝と相性の良さを見せ付けています。終始2番手を進む展開から、直線入り口で先頭に立つ危なげ無いレース内容でした。2着とは2馬身差。
このレースには去年のベルモント・ステークス優勝馬ドロッセルマイヤー Drosselmeyer も出走していましたが、5着と奮いませんでした。
調教師はニコラス・ジート、騎手はジュリアン・ルパルー。

そして愈々フロリダ・ダービー Florida Derby (GⅠ、3歳、9ハロン)。文字通りフロリダ州最大の名物レースで、ケンタッキー・ダービーへの挑戦者を決定する重要なクラシックへのステップ・レース。1952年創設で、アメリカのグレード・システム導入以来GⅠにランクされ続けている伝統ある一戦です。
今年の勝馬はダイアルド・イン Dialed In 。8頭立て。快調に飛ばしたシャックルフォード Shackleford が逃げ切るかと思えましたが、最後方を進み、向正面では10馬身以上離されていたダイアルド・インが強烈に追い込み、ゴール直前で頭差捉えての鮮やかな差し切り勝ちです。
調教師と騎手は、一つ前のスキップ・アウェイを制したジート厩舎、ルパルー騎手のコンビ。ニコラス・ジート師と同馬のオーナー(ラペンタ・ファミリー)にとっては去年のアイス・ボックス Ice Box に続くフロリダ・ダービー2連覇でもあります。アイス・ボックスは去年のケンタッキー・ダービーでは2着でしたから、陣営は今年こその想いを強くしたことでしょう。
更に続ければ、ジート師は2005年にもハイ・フライ High Fly でフロリダ・ダービーを制しており、このレース3勝目。フロリダ・ダービー3勝は、ジョン・ヴェイッチ師(1978、1985、1988)に続くトップ・タイの快挙となります。また2年連続制覇は1957年と58年のオラース・ジョーンズ師以来二人目のこと。

そして日曜日にはサンタ・アニタ競馬場でもG戦が一鞍行われています。ポトレロ・グランデ・ステークス Potrero Grande S (GⅡ、4歳上、6.5ハロン)。ポトレロ・グランデとは「大放牧場」とでも訳しましょうか。1983年創設の短距離レースです。
今年の勝馬はアマゾンビー Amazombie 。10頭立て。直線で大外から追い込み、キャプテン・チェロキー Captain Cherokee との競り合いを頭差制しての優勝です。アマゾンビーはG戦の初勝利。これで11戦7勝となり、全てのレースでマイク・スミスが騎乗してきました。
調教師は今年71才の大ヴェテラン、ウイリアム・スポール。師によれば、アマゾンビーは芝コースでも走っていますが、本来はダートコースが適している由。師の信念が証明された形ですね。

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