アメリカ版QEⅡは

昨日はイギリスでクィーン・エリザベスⅡ世ステークスが行われましたが、アメリカのキーンランドでも英女王に縁のGⅠ戦が行われています。その前に・・・。

今週のアメリカ競馬はBC3週前とあって多くのトライアルも終了、土日合わせてもG戦3鞍と静かな週末を迎えています。10月15日はベルモントとキーンランドでG戦が一鞍づつ行われました。
ベルモント・パーク競馬場のフューチュリティー・ステークス Futurity S (GⅢ、2歳、6ハロン)は、アメリカの2歳戦でも最も歴史も権威もあったレースですが、BCシリーズが創設されてからは衰退の一途。かつては堂々のG戦でしたが、遂に去年までのGⅡから今年はGⅢにまで降格されてしまいました。今年は fast の馬場に僅か5頭立て。7月30日にサラトガのデビュー戦(6ハロン)を5馬身半差で圧勝したセオリー Theory が1対5の圧倒的1番人気。
3番人気(6対1)ムーヴズ・ライク・アリ Moves Like Ali の逃げを2番手でマークしたセオリー、直線半ばでこれを外から捉えると、3番手追走の4番人気(8対1)スター・エンパイア Star Empire に3馬身半差を付けて人気に応えました。1馬身差で逃げたムーヴズ・ライク・アリが3着。
トッド・プレッチャー厩舎、今回が初コンビとなるハヴィエル・カステラノ騎乗のセオリーは、これで2戦2勝。父ジェモロジスト Gemologist は今年の2歳が初産駒で、既に先週フリゼット・ステークス(GⅠ)を制したイエロー・アゲート Yellow Agate を出しています。プレッチャー師は、中2週ながらもBCジュヴェナイルに挑戦する可能性も仄めかしてしていました。

そしてキーンランド競馬場のクィーン・エリザベスⅡ世・チャレンジ・カップ Queen Elizabeth Ⅱ Challenge Cup (芝GⅠ、3歳牝、9ハロン)。firm の馬場に1頭が取り消して8頭立て。前走8連勝を阻止されたとは言いながらも、カナダの年度代表馬に選ばれたキャッチ・ア・グリンプス Catch a Glimpse が8対5の1番人気。
その本命馬がいつものようにハナを切っての逃げに出ましたが、2番手を追走していた4番人気(10対1)の一角ホークスモア Hawksmoor に直線入口で外から交わされると早くも一杯。続いて5番手を進んだ2番人気(3対1)のタイム・アンド・モーション Time and Motion がその外からホークスモアに並び掛け、更に外から最後方に待機していた4番人気のもう1頭ハーモナイズ Harmonize も襲い掛かって3頭が横一線で並ぶスリリングなゴール前。写真判定の結果、中のタイム・アンド・モーションが外のハーモナイズを頭差抑え、内のホークスモアはハナ差の3着でした。キャッチ・ア・グリンプスは7着と初の大敗。
このレース3勝目となるジェームス・トーナー厩舎、ジョン・ヴェラスケス騎乗のタイム・アンド・モーションは、前走サラトガのレイク・プラシッド・ステークス(芝GⅡ)でキャッチ・ア・グリンプスを首差捉えて大金星を挙げた馬。それに続く連勝で、GⅠ戦初制覇を果たしました。ステークスは4勝目。プロフィールは前走のレポートをご覧ください。母絵リーズ・モーメント Ellie’s Moment は、ブライアンズ・タイムBrian’s Time の半妹という日本にも馴染みあるファミリーです。

 

 

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