花開くか、アーヴル・ド・グラース

金曜日のG戦は2鞍ながら、いずれもGⅠという注目のレースです。前日と同じキーンランドとオークローン・パークがその舞台。

昨日に続きキーンランド競馬場は、メイカーズ・マーク・マイル Maker’s Mark Mile (芝GⅠ、4歳上、8ハロン)。これも私のようなロートルには馴染無いレース名ですね。創設は1989年と最近のことで(と言っても20年以上経ってますが)、最初はフォート・ハロッド・ステークスという名称だったそうです。1997年からウイスキー醸造会社のメイカーズ・マークがスポンサーとなり、現在に至るという訳。1991年からGⅢ、2000年からGⅡ、2008年から最高格のGⅠに格上げされたのは、昨日のヴァイネリー・マディソンと同じですね。
今年の勝馬はゲット・ストーミー Get Stormy 。8頭立て。スタート良く飛び出し、そのまま後続に影も踏ませず、2着ワーキン・フォー・ホップス Workin for Hops に2馬身4分の3差を付ける逃げ切り勝ちです。これが五つ目のG戦勝利ですが、GⅠは初制覇。今年は3戦目での初勝利でした。
調教師はトーマス・ブッシュ。騎乗したハヴィエ・カステラノは、この日3勝。

もう一か所、オークローン・パーク競馬場では伝統のアップル・ブロッソム・ハンデキャップ Apple Blossom H (GⅠ、4歳上牝、8.5ハロン)。これなら私にも名物レースであることは判ります。創設は私が競馬に首を突っ込む以前の1958年のこと。春シーズンに行われる古馬牝馬のための最も重要な一戦で、GⅢに格付けされたのが1977年。以来徐々にグレードを上げて現在はGⅠに格付けされています。過去の勝馬リストには名牝がズラリ。2008年と去年は、あのゼニヤッタ Zenyatta が制していますからね。
今年の勝馬はアーヴル・ド・グラース Havre de Grace 。5頭立て。縦長の展開の丁度真ん中、3番手でレースを進めたアーヴル・ド・グラスがスウィッチに4分の3馬身差を付けて優勝。アルゼンチンのミス・マッチ Miss Match とチリの年度代表馬ベル・ウォトリング Belle Watling は夫々4・5着に敗退しました。
調教師はラリー・ジョーンズ。同馬を極めて高く評価する師は、このあとはブリーダーズカップを中点とする古馬牝馬の王道を歩ませる青写真を描いているようです。騎乗したラモン・ドミンゲスは、向正面で先行2頭が引き離しにかかった時も慌てず騒がず、落ち着いてアーヴル・ド・グラースの能力を最大限に引き出しました。

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