独立記念日のG戦3鞍

独立記念日のグレード・レースは3場で3鞍。休日の競馬に相応しくユッタリとレポートできます。

先ずはベルモント・パーク競馬場のプライオレス・ステークス Prioress S (GⅠ、3歳牝、6ハロン)。1948年創設、グレード制導入当初はGⅢでしたが、その後はG戦から降格された時期もあり、現在では最高格に位置付けられる3歳牝馬の短距離戦。ヨーロッパには無いタイプのGⅠです。プライオレスはアメリカ競馬黎明期の名牝で、競馬の本場イギリスに渡り、アメリカ馬として初勝利を記録したことでも知られています。
今年の勝馬はハー・スマイル Her Smile 。6頭立て。先行2頭が激しく競った結果、前半は離された最後方を進んだハー・スマイルが一気の差し切っての優勝。直線入り口でポッカリ空いた内ラチ沿いのコースを選んだジョッキーの好判断も光りました。外から追い込んだポムロイズ・ピストル Pomroys Pistol が半馬身差で2着。今シーズンはこれまで5戦して勝星に恵まれませんでしたが、G戦初勝利をGⅠで飾って鬱憤を晴らした形です。思えば2歳時には短距離戦のスピードで注目された馬、今期はケンタッキー・オークスを初めとして1マイル以上のレースで結果を出せませんでした。短距離なら強い、というのが彼女のキャラクターなのでしょう。
調教師はトッド・プレッチャー、騎手はハヴィエル・カステラノ。

続いてチャーチル・ダウンズ競馬場のファイアークラッカー・ハンデキャップ Firecracker H (芝GⅡ、3歳上、8ハロン)。ネットで調べると創設は1983年となっていますが、グレード制が導入された1973年と翌年にはGⅢに格付けされていたレース。尤も1973/1974年のレースはダートコースで行われる6ハロンの短距離でしたから、それとは別の一戦と考えるべきでしょう。今一つ経緯が明確ではありません。レース名も馬名ではないようで、独立記念日の「爆竹」という意味でしょうか。
今年の勝馬はワイズ・ダン Wise Dan 。10頭立て。大外10番枠から出たワイズ・ダン、終始外々を回って3番手を進み、直線では追いこむバリシュニコフ Baryshnikov に2馬身4分の3差を付ける圧勝。通ったコースを考えれば、着差以上の強さだったと思います。ワイズ・ダンは、これが10戦目にして初めての芝コースでした。3歳時の去年は6戦4勝で古馬になっての活躍が期待されていましたが、今シーズンは3戦して勝てず。調教で芝コースを走らせたところ、極めて動きが良かったということで今回の挑戦に繋がりました。
調教師はチャールズ・ロプレスティ、騎手はジョン・ケントン・コート。

最後はハリウッド・パーク競馬場のロイヤル・ヘロイン・マイル・ステークス Royal Geroine Mile S (芝GⅡ、3歳上牝、8ハロン)。第1回ブリーダーズ・カップ・マイル(1984年)をレコード・タイムで制した名牝ロイヤル・ヘロインの名を冠したレース。1986年創設、2001年からGⅢに、2007年からGⅡに格上げされています。その2007年と2008年はキャッシュコール・マイル・インヴィテーショナル・ステークスとして行われました。2006年には日本から遠征したダンスインザムードが勝ったことでも知られていますね。
今年の勝馬はセルティック・プリンセス Celtic Princess 。6頭立て。逃げるギヴィーン Givine を2番手でピタリとマーク、直線抜け出すとリードを広げ、最後方から追い込むハーモニアス Harmonious に2馬身4分の1差を付ける快勝でした。ハーモニアスは後ろから行き過ぎた印象です。セルティック・プリンセスはブラジル産の7歳馬。地元ブラジルでGⅠ戦に2勝、年度代表馬にも選出された馬ですが、アメリカに転厩してからは勝星に恵まれず、6度目の挑戦でアメリカG戦の初勝利となりました(サンタ・アニタの一般戦に勝っていますが)。ブラジルから通算して15戦6勝。今回は1番人気に応えての優勝です。
調教師はA.C.アヴィラ、騎手はラファエル・ベジャラノ。

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