昨日はGⅠ3鞍の豪華版

金曜日から二日間、涼しい所でのんびりしてきました。23度の高原から35度の都会に帰り着いたばかり。早速溜まった二日分の成績をチェックした所です。

ということで、今回のアメリカ競馬日記は8月5日と6日のG戦を纏めてレポートしましょう。

≪8月5日≫

金曜日のG戦はカリフォルニア、デル・マー競馬場の一鞍だけでした。

ソレント・ステークス Sorrento S (GⅢ、2歳牝、6.5ハロン)。1967年創設。レース名のソレントは「帰れソレントへ」で有名なナポリのソレントではなく、デル・マー近郊のソレント峡谷から。地名シリーズの命名ですね。
今年の勝馬はマイティー・キャロライン Mighty Caroline 。7頭立て。外から2番手に付け、直線で逃げるリヴァー・キス River Kiss を捉え1馬身4分の1差の快勝。G戦デビューにしてステークスは初勝利です。次は9月3日のデル・マー・デビュタント(GⅠ)で更に上を目指す由。
調教師メロディー・コンロンは開業して10年目ですが、これがG初、ステークスも初勝利だそうです。騎手はジョエル・ロザリオ。

≪8月6日≫

土曜日はサラトガとデル・マーとでGⅠ戦3鞍の豪華版。その他に年に一度、ウェスト・ヴァージニア州の名物であるダービーも行われています。

先ずは、そのマウンテニアー・カジノ競馬場で行われるウエスト・ヴァージニア・ダービー Virginia Derby (GⅡ、3歳、9ハロン)から。1923年創設、ウエスト・ヴァージニア州の3つの競馬場で転々として行われてきました。現在のマウンテニアー競馬場では1963年以降開催されています。GⅡに格付けされたのは2009年からで、今年がG戦としては3回目。
この競馬場はウエスト・ヴァージニア州チェスターの南西部にある競馬場で、カジノも併設されています。開場は1949年。この競馬場はほとんどが下級条件戦でナイターが中心。唯一、8月の第1土曜日の昼に行われるウエスト・ヴァージニア・ダービーだけが、グレード・レースとして認められています。今年の賞金は75万ドル。
今年の勝馬はプレイヤー・フォー・リリーフ Prayer for Relief 。9頭立て。スタートから先頭に立ったラッシュ・ナウ Rush Now が快調に逃げ、そのまま逃げ切るかと思われた最後の瞬間に3番手から差を詰めたプレイヤー・フォー・リリーフが鋭く伸びて半馬身の差し切り勝ち。1番人気でした。今シーズンは3戦全勝とパーフェクト。
調教師はボブ・バファート、カリフォルニアからの遠征で、2年連続制覇。騎手ラファエル・ベジャラノもカリフォルニアから飛来、この日4勝の固め打ちでした。

さてサラトガ競馬場はテスト・ステークス Test S (GⅠ、3歳牝、7ハロン)。1922年創設、グレード制導入時からGⅠ格を保ってきた夏場の重要な3歳牝馬戦。春の各種3冠と秋のブリーダーズ・カップを繋ぐ位置にあります。特にスプリントを得意とするタイプに向いた一戦ですが、ここからアラバマ・ステークスに向かう馬にとってもトライアルの意味を持ちます。
今年の勝馬はタービュレント・デサント Turbulent Descent 。8頭立て。前半4番手、3~4コーナーで外から一気に追い上げ、直線で追い込むポムロイズ・ピストル Pomeroys Pistol に3馬身4分の3差を付ける圧勝で見事1番人気に応えました。これでGⅠは3勝目、通算では8戦6勝となります。
調教師はマイク・パイプ、騎手はデヴィッド・ロメロ・フローレス。

サラトガではもう一つのGⅠ戦、ホイットニー・インヴィテーショナル Whitney Invitational (GⅠ、3歳上、9ハロン)。1928年創設。レース名のホイットニーは、20世紀初頭からアメリカ競馬界に重要な足跡を残してきたホイットニー家を記念したもの。G制導入の1973年こそGⅡでしたが、1981年以降はGⅠとして定着しています。現在では、このレースの勝馬には自動的にブリーダーズ・カップ・クラシックへの出走権が与えられます。ケルソ Kelso の隔年3回制覇やセクレタリアート Secretariat の敗戦など、華やかな話題に彩られてきた一戦。
今年の勝馬はティズウェイ Tizway 。11頭立て。スタート(5番枠)は一番、1コーナーでは内枠スタートの2頭に先頭を譲りましたが、3コーナー手前で再び先頭を奪うと、追い込むフラット・アウト Flat Out に3馬身差を付ける快勝。混戦のハンデキャップ戦線のトップに躍り出た印象です。これでGⅠはメトロポリタン・ハンデに続き2連勝。ブリーダーズ・カップ・クラシックと年度代表馬のタイトルに最も近い存在になったと言えるでしょう。
調教師はジェームス・ボンド、騎手はラジーヴ・マラー。

そしてデル・マー競馬場のクレメント・L.ハーシュ・ステークス Clement L. Hirsch S (GⅠ、3歳上牝、8.5ハロン)。オールド・ファンには馴染の無い名前のレースですが、1937年創設時はチューラ・ヴィスタ・ハンデ Chula Vista H と呼ばれていたもの。それなら知っている、と言われるファンも多いでしょう。現在のレース名に変更されたのは2000年で、カリフォルニア州のオークトゥリー競馬協会の創設者の一人であるハーシュ氏を記念したもの。グレード制導入時はGⅢ、2009年からGⅠに格上げされると同時にハンデ戦から定量戦に変更されました。2008年から去年まで、ゼニヤッタ Zenyatta が3連覇したことでも知られる一戦。
今年の勝馬はウルトラ・ブレンド Ultra Blend 。5頭立て。最後方を進み、直線では最外を回って追い上げ、最後は3番手から最内を衝いたザズー Zazu との叩き合いを首差制して最低人気の逆転劇でした。1番人気のスイッチ Switch は3着。ウルトラ・ブレンドはこの勝利で自動的にブリーダーズ・カップ・レディーズ・クラシックの出走権を獲得。
調教師は、今年74才のアート・シャーマン。騎手したタイラー・ベイズは去年のデル・マーで目を負傷、4月末に復帰してから初のGⅠ勝利となりました。

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