バーボン・ステークスの珍事

日曜日、キーンランド競馬場は3日連続でグレード・レースが行われました。2鞍だけ、土曜日に比べれば遥かに楽な展開です。

キーンランド競馬場のバーボン・ステークス Bourbon S (芝GⅢ、2歳、8.5ハロン)。1991年にホープモント・ステークス Hopemont S として創設、2003年に現在の名前に改称されています。2008年からGⅢに格上げ、ブリーダーズ・カップの指定レースでもありましたが、今年は指定からは外れているようです。
今年の勝馬はアニマル・スピリッツ Animal Spirits 。12頭立て。最後の直線で思わぬアクシデントが発生しました。スタートから逃げ、内ラチ沿いに先頭に立っていたヒア・カムズ・フレイジャー Here Comes Frazier がラチに激突して転倒。弾みでジュリアン・ルパルー騎手がラチの外に投げ出されてしまいました。勝ったアニマル・スピリッツ、前半は後から3番目を進む展開。直線では5頭分の外を通り、落馬事故を左手に見ながら抜け出すと、2着コールポート Coalport に半馬身差を付けての優勝です。前走の新馬戦で2着したのが唯一の成績で、2戦目での初勝利がG戦。本来は当日の未勝利戦を予定したそうですが、他馬との兼ね合いからこちらに回ってきた由。異例づくめのバーボン・ステークスになってしまいました。
なお投げ出されたルパルー騎手は、数分後には自分で立ち上がり、左手に痛みが残ったものの次のスピンスター・ステークスにも騎乗(スーパー・エスプレッソ Super Espresso、10着)しています。奇跡的にこの事故はレースに大きな影響はもたらさなかった模様。落馬した馬は病院に運ばれ、現時点では検査中とのこと。
調教師はアルバート・ストール、騎手はロビー・アルバラード。

スピンスター・ステークス Spinster S (GⅠ、3歳上牝、9ハロン)。1956年創設。ブリーダーズ・カップの指定レースで、勝馬には自動的にブリーダーズ・カップ・レディーズ・クラシックへの出走権が与えられます。レース名のスピンスターには「ハイミス」という意味があって、競走馬の名前ではないと思います。
今年の勝馬はアルーナ Aruna 。12頭立て。2番枠からスタート、内ラチ沿いの中団に付け、向正面で徐々に外へ。直線入口では5頭の大外から鋭く伸び、2着パチャタック Pachattack に半馬身差の快勝です。これまで11戦を芝コースのみで競馬してきましたが、初めてのポリトラック・コースも問題にせず1番人気に応えました。これでブリーダーズ・カップへの弾みが付きましたが、彼女の場合はレディーズ・クラシックでもフィリー・アンド・メア・ターフでも行ける態勢が整ったと言えましょう。
調教師はグレアム・モーション、騎手はラモン・ロドリゲス。

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