アメリカの秋競馬スタート

9月の第2週、愈々アメリカ競馬も秋の開催が始まりました。その象徴はニューヨーク州のベルモント競馬場でしょう。
しかし昨日は当アメリカ競馬日記初登場となる三つの競馬場でも秋の競馬祭りが華やかにオープン。調べる方は結構大変ですが、広く浅くの「クラシカル・ウォッチ」を象徴するような日記になりましたね。

先ずアーリントン・パーク競馬場のアーリントン-ワシントン・ラッシー・ステークス Arlington-Washington Lassie S (GⅢ、2歳牝、8ハロン)。1929年にアーリントン・ラッシー・ステークスとして創設。1963年以降、現在の名前に改称されています。2005年からはブリーダーズ・カップの指定レースになりました。
今年の勝馬はロケット・トゥエンティーワン Rocket Twentyone 。9頭立て。各馬様子を窺うようなスタートから2番手に付け、直線で逃げるエッセンス・オブ・バブルス Essence of Bubbles を半馬身差捉えて優勝。結果的にスローペースだったのでしょう、16対1の大穴になりました。新馬戦に勝ったばかり、これが2戦目のレースでした。
調教師はW.T.ハワード、騎手はオイゼビオ・ラーゾ。

アーリントン-ワシントン・フューチュリティー Arlington-Washington Futurity (GⅢ、2歳、8ハロン)。1927年にアメリカン・ナショナル・フューチュリティーとして創設。1932年からアーリントン・フューチュリティーと改名されます。その後1962年にワシントン・パーク・フューチュリティーと合併され、現在の名前に改名されました。
今年の勝馬はシェアード・プロパティー Shared Property 。フルゲートの13頭立て。7番手に控える展開から、直線で大外を回り、先に抜け出したテイク・チャージ・インディー Take Charge Indy を1馬身交わして優勝。1・2着馬共に新馬戦に勝って2戦目のレースでした。
調教師はトーマス・エイモス、騎手はレアンドロ・ゴンカルヴェス。

秋再開の初日に行われたベルモント・パーク競馬場のボウリング・グリーン・ハンデキャップ Bowling Green H (芝GⅡ、3歳上、11ハロン)。1958年創設。レース名のボーリング・グリーンは、マンハッタン島南部の突端にある地名。
今年の勝馬はその名もグラッシー Grassy 。7頭立て。前半4番手、向正面で3番手に上がり、直線で先に抜け出したセンター・ディヴアィダー Center Divider を半馬身捉えて優勝。最後は馬を抑える余裕がありましたから、着差以上の楽勝と言えましょう。4連敗中でしたが、今シーズン初勝利。これで15戦5勝となる5歳の芦毛馬です。
調教師クリストフ・クレメントは、ボウリング・グリーン3勝目。騎手はギャレット・ゴメス。

ここからは新顔の3場を紹介していきます。

その一番手、ケンタッキー・ダウンズ競馬場は、その名の通りケンタッキー州の競馬場。ここはアメリカには珍しくダート・コースが無く、全て芝コースで行われるヨーロッパ・スタイルの競馬場です。開場は1990年、詳細は以下をお読みください。
http://en.wikipedia.org/wiki/Kentucky_Downs
この競馬場で行われる唯一のグレード・レースが、ケンタッキー・カップ・ターフ・ステークス Kentucky Cup Turf S (芝GⅢ、3歳上、12ハロン)。創設は1991年で、最初はサム・ヒューストン・ハンデ Sam Houston H という名称でした。財政難で当競馬場が一旦閉鎖された後、1998年に再開された時に現在のレース名に改称された由。毎年9月の開催オープンとして行われる名物レースです。
今年の勝馬はラヒストラーダ Rhystrada 。10頭立て。このレースは珍しくヴィデオがありません。12ハロンは初挑戦ながら4対5の1番人気。直線入口で先頭に立つと、他馬を寄せ付けず圧勝。2着は3馬身4分の3差でブラジル産馬オッズ・オン Odds On が入りました。ラヒストラーダのG戦は3勝目となります。
調教師はバイロン・ヒューズ、騎手グレタ・クンツヴァイラーは、去年のレジーフ Rezif に続きこのレース2連覇達成。

続いてルイジアナ・ダウンズ競馬場はルイジアナ州の競馬場で、開場は1974年。ショッピングセンターの先駆者と呼ばれる実業家エドワード・デパートロが開設したカジノを併設したコース。
この競馬場の呼び物として1980年に創設されたスーパー・ダービー Super Derby (GⅡ、3歳、9ハロン)。創設時の賞金50万ドルは、当時全米での最高額。最初からGⅠにランクされていましたが、2002年からGⅡに降格されました。
今年の勝馬はプレイヤー・フォー・リリーフ Prayer for Relief 。9頭立て。スタート・ダッシュ良く先頭、そのまま内ラチ沿いに逃げ切りました。直線で一旦は追い込み馬に詰め寄られましたが、最後は二の足を使って再び引き離し、大接戦の2着オウサム・ベット Awesome Bet に2馬身半差で快勝。これで4連勝、内3勝はG戦という充実ぶりです。
調教師はボブ・バファート、騎手はラファエル・ベハラノ。

最後にプレスク・アイル・ダウンズ競馬場は、前々回紹介したパークス・レーシング競馬場と同じペンシルヴァニア州の競馬場で、やはりカジノが併設されています。開場は2007年2月、詳しくは以下のウィキペディアで。ここで開催される唯一のグレード・レースが昨日行われました。
http://en.wikipedia.org/wiki/Presque_Isle_Downs
それがプレスク・アイル・ダウンズ・マスターズ・ステークス Presque Isle Downs Masters S (GⅡ、3歳上牝、6.5ハロン)。コースがオープンした2007年に第1回が行われ、今年からGⅡに格上げされた一戦。
今年の勝馬はミュージカル・ロマンス Musical Romance 。12頭立て。3番手追走、直線で逃げ馬と2番手の馬の間を割って先頭に立ち、直線で最後方から一気に追い込んだアリアーナ・ディー Ariana D を首差凌いでの優勝。2着馬は惜しかった一番です。勝ったミュージカル・ロマンスはG戦初勝利。
調教師はウイリアム・カプラン、騎手はファン・レイヴァ。

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