サンタ・アニタの冬/春開催が開幕

クリスマス明けの昨日、イギリスはボクシング・デイの休日でしたが、アメリカはクリスマスの振替休日だったようです。世界的にクリスマスにも競馬があったのは日本の有馬記念くらいのもので、イギリスは全休、アメリカでもGレースはありません。
その26日、カリフォルニアのサンタ・アニタ競馬場で冬/春開催がオープンしました。例年開幕を飾るのはGⅠのマリブー・ステークスですが、その前に行われた芝のGⅡ戦と共にレポートして行きましょう。

先ずはサー・ボーフォート・ステークス Sir Beaufort S (芝GⅡ、3歳、8ハロン)。2000年創設の歴史が浅い芝戦。2006年に初めてGⅢに格付けされ、今年からGⅡに昇格します。レース名のサー・ボーフォートは、1993年のサンタ・アニタ・ハンデ勝馬。リボー Ribot 系プレザント・コロニー Pleasant Colony 産駒で種牡馬として期待されていましたが、疝痛から合併症を併発して死去、結局は子孫を残せずに終わった馬です。
今年の勝馬はミスター・コモンズ Mr. Commons 。8頭立て。ゆったりとしたスタートから前半は後方2番手に付け、第3コーナーで徐々に進出。直線では逃げたコンマ・トゥー・ザ・トップ Comma to the Top と先に先頭に立ったハリウッド・ダービー馬アルティメイト・イーグル Ultimate Eagle の間を巧みに衝いて抜け出し、追い込むアイリッシュ・アート Irish Art に3馬身4分の1差を付けて1番人気(11対10)に応えました。ブーリーダーズ・カップ・マイル5着以来のレースを勝利で、ここは貫録勝ち。シーズン初めにはサンタ・アニタ・ダービーで3着、ケンタッキー・ダービーはパスし、プリークネスでは着外に終わっていた馬。そのあと休養を挟んで芝コースに転戦、デル・マーとハリウッドの芝戦で適性を証明してきました。
調教師はジョン・シレフス、騎手はマイク・スミス。

そしてマリブー・ステークス Malibu S (GⅠ、3歳、7ハロン)。1952年創設、この開催で行われるストラブ・シリーズの第1弾。ストラブ・シリーズは、年が明けて4歳になる馬のための三冠レースで、マリブー(7ハロン)→サン・フェルナンド(8.5ハロン)→ストラブ(10ハロン)で構成されます。出走資格が前年の12月中に施行されるマリブーのみ3歳馬、残り2冠が4歳馬であるのはそのためです。これまで三冠を達成したのは5頭、今年はどうなりますか。レース名の「マリブー」は、カリフォルニアのビーチから採られたもの。
今年の勝馬はザ・ファクター The Factor 。10頭立て。大外11番枠から好スタートも無理せず内から出た馬と3頭で先行グループを形成し、3コーナーでリードを奪うと、そのまま2着ロスコ Rothko に3馬身半差を付けてこちらも見事1番人気(5対2)に応えています。出走馬中G戦勝馬はザ・ファクター1頭(しかもGⅠホース)、ここは格の違いを見せ付けた形でした。これで9戦5勝、ストラブ三冠の権利を獲得しています。GⅠは8月デル・マー競馬場のパット・オブライエン・ステークスに続く2勝目。G戦もシーズン初めのサン・ヴィセンテ(GⅡ)とレベル(GⅡ)と合わせて4勝。
調教師はボブ・バファート、騎手はマーチン・ガルシア。カリフォルニア州を拠点とし、競馬殿堂入りを果たしているバファート師は同州のほとんどのG戦を制していますが、何故かこれまでマリブーには縁がありませんでした。今年は4頭出しで万全を期し、念願の初勝利となります。

バファート師のプロフィールはこちらから↓

http://en.wikipedia.org/wiki/Bob_Baffert

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