シーズン初の2歳芝G戦
8月28日、残り僅かとなったサラトガ競馬場でウィズ・アンティシペイション・ステークス With Anticipation S (芝GⅡ、2歳、8.5ハロン)が行われました。夏のサラトガも次の月曜日が最後、締め括りの2歳G戦がメインとなります。
ウィズ・アンティシペイションは、アメリカの2歳路線ではシーズン最初となる芝のG戦。天候も回復して firm の馬場、馬場がダートに変更された時のみ出走を予定していた1頭が取り消し8頭立て。2対1の1番人気に支持されたストロング・コーヒー Strong Coffee は8月2日に同じサラトガの芝、同じ距離の新馬戦を3馬身で勝った馬で、先週モンマスのヴァイオレット・ステークスに勝ったラスティー・スリッパー Rusty Slipper の半弟に当たる血統です。
レースは最低人気(40対1)のクトゥーゾフ Kutuzov が逃げましたが、半マイル地点で早くも一杯。替ってブービー人気(21対1)のクリーキー・クリケット Creaky Cricket が先頭に立ちましたが、前半やや離れて最後方で待機していた僅かの差で2番人気(2対1)だったスタータップ・ネイション Startup Nation が第3コーナーで捲り気味にスパート、一気に先頭に立つ勢いで第4コーナーを回ると、直線ではこれも後方3番手から追い上げる4番人気(5対1)インターナショナル・スター International Star に4馬身半差を付ける圧勝劇を演じました。2馬身半差で5番人気(10対1)のナッティー・ファッティー Nutty Futty が3着。3番手を進んだストロング・コーヒーは、更に4分の3馬身で4着に終わっています。
最後のコーナーを回る時、スタータップ・ネイションが内に切れ込むように進路を取ったことで、その内から伸びようとしていた結果2着のインターナショナル・スターが一瞬怯む場面があり、2着のロージー・ナプラヴニクから異議申し立て。一方審判も勝馬の進路について審議を行いましたが、最終的には入線通りで確定しました。
チャド・ブラウン厩舎、ジョエル・ロザリオ騎乗のスタータップ・ネイションは、3週前の8月7日に同じサラトガ、同じ8.5ハロンの芝コースで行われた新馬戦を2馬身差で勝った馬。本命馬とは同じようなコースでステークス初挑戦でしたが、陣営の不安はレース間隔が短すぎるのでは、という点にあったようです。父テンプル・シティー Temple City にとってもステークス勝馬は初、母の父ワゴン・リミット Wagon Limit も余り聞き慣れない名前。前半は後方でリラックス、一気に瞬発力を発揮して先頭に立つと、直線では後続を突き放すというレース振りには2歳馬らしからぬものを感じました。
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