最後もファーブルで締め

昨日の土曜日、今シーズンのフランス平場競走最後のパターン・レースが行われました。当ブログの守備範囲であるヨーロッパ3国で最後のG戦に当たります。
サン=クルー競馬場の heavy な馬場で行われたクリテリウム・ド・サン=クルー Criterium de Saint=Cloud (GⅠ、2歳牡牝、2000メートル)、最後のGⅠ戦でもありました。

8頭立て。3対5の1番人気に支持されたマンディーン Mandaean が、若さを見せながらも順当に勝っています。2馬身半差で2着はブロコッテス Brocottes 、更に4分の3馬身差3着にドイツのタイ・チ Tai Chi 。
レースはミランドラ Mirandola の逃げで始まり、レース半ばでこれを捉えたタイ・チが最後まで粘りましたが、2番手を進んだマンディーンが残り2ハロンでこれを捉えると一気に抜け、最後の1ハロンでは右に寄れ、左に寄れとフラ付きながらも、他馬を引き離していたためトラブルにもならず危な気ない勝利となったもの。
最後は重馬場に脚を取られてバテ気味ではありましたが、ここでは力が一枚上だったという印象でした。
イギリス(チャールズ・ヒルズ厩舎)からはレッツゴーラウンドアゲン Letsgoroundagain ただ1頭が挑戦していましたが、後方のまま7着と力を出し切れなかったようです。

マンディーンはゴドルフィンの馬で、アンドレ・ファーブル厩舎所属。10月16日のロンシャンで1番人気に応えてデビュー勝ちしていた馬で、無傷の2連勝となります。手綱を取ったのは、デビュー戦と同じマクシム・グィヨン騎手。グィヨンは、これが今シーズン地元フランスGⅠ戦5勝目となりました。
このレースはダービーを目指す馬の試金石にも使われる一戦で、勝ったマンディーンには来年のエプサムに25対1のオッズが出されています。

ファーブル師にとってクリテリウム・ド・サン=クルーは5勝目。これまでを振り返ると、
1988年のミセルデン Miserden は仏ダービーでは8着、1993年のサンシャック Sunshack は英ダービーに挑戦して12着に終わりましたが、古馬になってから仏セントレジャーを制した馬。
3頭目のサガシティー Sagacity も仏ダービーでは9着でしたが、凱旋門賞3着の実績を残しています。そして前回、2005年の勝馬リンダズ・ラッド Linda’s Lad は英ダービーに遠征して9着でした。

ファーブル師としては初めて無敗で制したマンディーンの父は、ドイツ系のマンデュロ Manduro 。マンデュロ自身はモンスン Monsun の産駒で、ドイツの名門ジンギス・カーン Dschingis Khan に遡るサイアー・ライン。
このところ注目を集めているドイツ・ブランドですから、来年のクラシックにマンディーンの名を見付けることは間違いなさそうですね。

ということで、2011年のヨーロッパ競馬日記は今回でおしまい。もちろん冬場の閑話は出てくるでしょうが、パターン・レースのレポートは来年3月まで冬眠に入ります。

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