人気に応えた無敗馬とGⅠ馬
仏オークスを翌日に控えたシャンティー競馬場、6月17日は2鞍のG戦が行われました。馬場は good 。
ポール・ド・ムーサック賞 Prix Paul de Moussac (GⅢ、3歳、1600メートル)はギニーと同じ距離ですが、仏2000ギニー参戦組は無く6頭立て。その中からここまで3戦無敗のトレ・フリョール Trais Fluors が9対10の断然1番人気に支持されていました。
5番人気(76対10)のユーマン Yuman が逃げましたが、後方に待機したトレ・フリョールが期待通り末脚を発揮し、2番手を進んだ2番人気(39対10)のスタンニング・スピリット Stunning Spirit に1馬身差を付けて見事期待に応えました。同じく先行していた最低人気(164対10)のロック・エンジェル Roc Angel が1馬身半差の3着。
アンドレ・ファーブル厩舎、ヴィンセント・シャミノー騎乗のトレ・フリョールは、これで無傷の4連勝となります。2歳の秋にメゾン=ラフィットの1500メートル戦でデビュー勝ちしましたが、その時の2着もスタンニング・スピリットで、その時は1馬身4分の1差でした。同じデビュー戦で6着だったロック・エンジェルが今回の3着馬です。
2歳時は1戦のみだったトレ・フリョール、3歳初戦はコンピエーニュの1600メートル一般戦、そして前走サン=クルーのリステッド戦(ポンタルム賞、1600メートル)と連勝し、ここでG戦初勝利です。今後は未定だそうですが、より長い距離に挑戦する可能性もありそう。いずれにしても陣営の期待は4歳となる来年のようです。
そしてラ・クープ La Coup (GⅢ、4歳上、2000メートル)。ここも同じ6頭立てで、前走イスパハン賞(GⅠ)で2着した英国馬ロビン・オブ・ナヴァン(ネイヴァン?) Robin of Navan が前走に続いてフランスに遠征して9対10の1番人気。
本命馬は逃げ切りを得意とする馬ですが、ドイツから遠征してきた5番人気(10対1)のシャッターバグ Shutterbug がハナを叩いての逃げ作戦。それを冷静に2番手で控えたロビン・オブ・ナヴァン、残り1ハロンで先頭に立つと、3番手を追走した4番人気(17対2)のガーリンガリ Garlingari を半馬身抑えてこちらも人気に応えています。後方から追い込んだ3番人気(5対1)のファースト・シッティング First Sitting が2馬身差の3着。
勝ったロビン・オブ・ナヴァンは、2歳時にもフランスに遠征してクリテリウム・ド・サン=クルーを制していたGⅠホース。それがハリー・ダンロップ師にとってもGⅠ初制覇で、今回は絶好調のクリスチャン・デムーロが騎乗していました。
3歳時は仏ダービーにも遠征して16頭立て11着と敗退しましたが、4歳になった前走イスパハン賞の快走で再びGⅠ戦線に戻って来た印象。イスパハン賞に勝ったメークタール Mekhtaal 、3着だったアシェレット Usherette が共にロイヤル・アスコットを目指す中、こちらはフランスのGⅢ戦でシッカリ足固めをしています。デムーロ騎手は12ハロンも行ける、と進言していましたから、もしかすると凱旋門賞という手があるかも。
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