アケダクトとチャーチル・ダウンズの静かな週末

今週のアメリカ競馬は真に穏やか。サンタ・アニタが終了したカリフォルニア州は10日からハリウッド・パークの秋冬開催がスタートしましたが、この土日はグレード戦が組まれていません。
一方ニューヨーク州はアケダクト開催が始まったばかりで、こちらもG戦は緩やかなスタートを切ったばかりです。
ということで、今週の米G戦は土曜日の2鞍のみ。こんな結果が入ってきました。

先ずはアケダクト競馬場のロング・アイランド・ハンデキャップ Long Island H (芝GⅢ、3歳上牝、12ハロン)。元来は1894年に当時ニューヨーク州にあったシープスヘッド・ベイ競馬場で創設された歴史あるレースでしたが、1910年にギャンブル禁止法に基づいて競馬場そのものが閉鎖されて一旦は歴史を終えていました。その後第二次世界大戦も終了し、1956年にベルモント競馬場で復活。その後も出走条件など度々変更されて今日に至っています。グレード制が導入された1973年から、ジャパン・カップにも参戦したザ・ヴェリー・ワン The Very One が制した1980年まではGⅢに格付けされ、1981年にGⅡに昇格。しかし2007からは当初のGⅢに降格されています。
今年の勝馬はヒット・イット・リッチ Hit It Rich 。8頭立て。前半は逃げるアンブライドルド・エッセンス Unbridled Essence に馬体を合わせるように2番手でがっちりマーク。アメリカとしては長距離戦だけにゆったり且つ淡々とした流れ。3~4コーナーから各馬一斉に仕掛け、直線入口で先頭に立ったヒット・イット・リッチが、4番手から追い上げたメコン・メロディー Mekong Melody を1馬身半寄せ付けず快勝。ステークスは初勝利となります。芝コースでの勝利は2勝目。9ハロン以上の距離を経験したのも初めてのことだそうです。
調教師はクロード・マクガヒー、騎手はハヴィエル・カステラノ。

もう一つ、BCを無事に終えたチャーチル・ダウンズ競馬場のミセス・リヴィーア・ステークス Mrs. Revere S (芝GⅡ、3歳牝、8.5ハロン)。こちらは1991年創設の新しいレース。レース名のミセス・リヴィーアは1981年生まれの牝馬で、グレード戦には勝てなかったものの28戦12勝の戦績を残しました。何故この馬の名がレース名に冠されているのかは不明です。創設当初はリステッド戦でしたが、1995年にGⅢ、1998年からはGⅡに格上げされました。
今年の勝馬はマーケティング・ミックス Marketing Mix 。11頭立て。アケダクトのロング・アイランドと同じような展開。2番手で逃げ馬をマークしたマーケティング・ミックスが同じ地点でスパートし、やはり追い込んだビジー・キャロライン Bizzy Caroline に同じく1馬身半差を付けて優勝。距離が短い分流れが速かったのと、最後は騎手が手綱を抑えるほどの余裕だったのが多少違うところ。ジョッキーが目一杯追っていればもっと大差が付いたでしょう。前走クィーン・エリザベスⅡ世チャレンジ・カップ(GⅠ)で2着に追い込んだ末脚が伊達じゃないことを証明して1番人気に応えました。G戦勝利は今夏アーリントンのパッカー・アップ・ステークス(GⅢ)に続く2勝目。このレース内容から見て、GⅠ制覇も時間の問題でしょうね。
調教師はトーマス・プロクター、騎手はジュリアン・ルパルー。

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