ロンシャン最初のG戦

昨日の日曜日、ロンシャン競馬場での今シーズン最初のパターン・レースが行われましたが、その前にカラー競馬場からのレポートです。

グラッドネス・ステークス Gladness S (GⅢ、4歳上、7ハロン)。去年は4月22日に行われ、名マイラーのエクスセレブレーション Excelebration が勝ちましたが、今年は半月ほど早い施行となります。
馬場はシーズン初期とあって good to yielding 、9頭が出走し、去年の愛2000ギニー2着馬フォックストロット・ロメオ Foxtrot Romeo が9対4の1番人気に支持されていました。

ところが結果は大波乱、最低人気(25対1)のカスタム・カット Custom Cut が逃げ切って観客を驚かせました。最後方を進んだ2番人気(7対2)のネフライト Nephrite が外から鋭く伸びて逃げ馬に迫りましたが、半馬身届かず2着。ハナ差でラ・コリーナ La Collina が3着。
人気のフォックストロット・ロメオは2番手を追走していましたが、精彩を欠いて8着惨敗です。

前走アイリッシュ・リンカーン・ハンデは20頭立て16着と大敗していたカスタム・カットは、これが今期3戦目でのG戦初勝利。3歳の去年は夏にハンデ戦を中心に4連勝した実績もある馬で、ジョージ・ケント厩舎、ローナン・ウィーラン Ronan Whelan 騎乗。
ウィーランは当ブログ初登場のジョッキーですが、アイルランドのチャンピオン見習騎手を獲得した若手で、去年は41勝で総合ランキングでも10位に食い込んだ人。これが記念すべきG戦初勝利となります。カスタム・カットは最後は流石にバテましたが、何とか持たせた腕は中々のもの。
カスタム・カットは去年アスコットのブリティッシュ・チャンピオン・フィリー・アンド・メア・ステークス(GⅡ)を制したサファイア Sapphire の半弟で、姉同様に重馬場を得意にするタイプです。尤も陣営によると、重は得意というよりも苦にしない脚質ということで、良馬場でも好勝負出来ることを強調していました。

一方2着に追い込んだネフライトはエイダン・オブライエン厩舎、ジョセフ・オブライエン騎乗の4歳馬で、ほぼ1年振り(正確には350日振りの由)の実戦。去年の今頃はクラシック候補の1頭でしたが、いきなりG戦で鬼脚を使う辺り、能力は高いと言えましょう。

そしてロンシャンの2鞍。先ずラ・フォース賞 Prix La Force (GⅢ、3歳、2000メートル)はダービーに向けた最初のステップとなる一戦で、去年は勝馬サオノア Saonoa が仏ダービーを制したことで注目が高まっているトライアルです。
ロンシャンの馬場は good 、9頭が出走し、3歳の1月デビューで無敗のまま3連勝してきたセフリ Sefri が9対10の1番人気。ルジェ厩舎、スミオン騎乗の新星です。

逃げたのは、やはり3連勝中のイヴァン・グロズニー Ivan Grozny 。2番手を進んだセフリが残り2ハロンで先頭に立ちましたが、スタートで大きく出遅れた2番人気(11対2)のトリプル・スレット Triple Threat が外に持ち出して伸び、本命馬を4分の3馬身差し切って優勝。内容は楽勝と言って良いでしょう。3着は1馬身差で逃げたイヴァン・グロズニー。
尚このレースにはグレートジャニーを父に持つポント・マリー Pont Marie (4勝馬)も出走していましたが、最下位に終わっています。

アンドレ・ファーブル厩舎、マクシム・グィヨン騎乗のトリプル・スレット(父はモンスン Monsun)は、2歳時3戦目で未勝利を脱し、次走クリテリウム・インターナショナル(GⅠ)ではロッホ・ガーマン Loch Garman の4着していた馬。これがシーズン・デビューでもありました。

続いてはダルクール賞 Prix d’Harcourt (GⅡ、4歳上、2000メートル)。英愛仏では今期最初のGⅡ戦で、ここ3年の勝馬、マンデュロ Manduro 、カットラス・ベイ Cutlass Bay 、ジォフラ Giofra が何れもその後GⅠ馬に成長しており、過去にもアーバン・シー Urban Sea が勝ったこともある重要な一戦。
7頭が出走し、前走エクスバリー賞(GⅢ)で1番人気になりながら頭差2着に惜敗したドン・ボスコ Don Bosco が2対1の1番人気。エクスバリーに勝ったサガ・ドリーム Saga Dream は23対10の微差2番人気です。

そのドン・ボスコが逃げて人気に応えるかに見えましたが、3番手を進んだ4番人気(57対10)のマクシオス Maxios が抜け、本命馬に4分の3馬身差で優勝。1馬身半差でサガ・ドリームは3着でした。3番人気(9対2)ダルカラ Dalkala が4着。
ニアルコス・ファミリー所有、ジョナサン・ピアース厩舎、ステファン・パスキエ騎乗のマクシオスは、2歳時は無敗、3歳時は未勝利だった馬で、去年の4歳時にクープ・ド・メゾン=ラフィット(GⅢ)でG戦初勝利、続くドラー賞(GⅡ)では6着してシーズンを終了、これがシーズン・デビューでした。ラ・フォースのトリプル・スレットに続き、この馬もモンスン産駒。
ダルクールに勝った先輩に続くべく、次走ガネー賞でGⅠ初制覇を目指します。

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