カステラノ騎手の千穐楽ダブル

昨日はフロリダ州のカルダー競馬場(コールダーと表記される場合もあるようです)の秋開催最終日、芝コースで行われた2鞍のG戦がフィナーレを飾りました。

最初はトロピカル・ターフ・ハンディキャップ Tropical Turf H (芝GⅢ、3歳上、9ハロン)。1972年にクリスマス・デイ・ハンデキャップ Christmas Day H として創設され、1993年に現在のレース名に変更されると同時に、GⅢに格付けされたレース。カーテリスタ Carterista は1992年にクリスマス・デイ・ハンデに勝ち(この年は2つのディヴィジョンに別けられましたが)、1993年にはGⅢのトロピカル・ターフ・ハンデを制した珍しいケースです。
今年の勝馬はシルヴァー・メダリオン Silver Medallion 。9頭立て。終始2番手を進む展開。第4コーナー手前から進出して直線入口で逃げたチョーズン・エンパイア Chosen Empire を捉えると、追い込む1番人気のミスター・ライダー Mr.Ryder に1馬身4分の3馬身差を付けて楽勝。シーズン当初はアスムッセン厩舎のクラシック三冠の有力候補でしたが、プレッチャー厩舎に転厩してからは芝コースに活路を見出して3戦、思惑通りグレード・レース2勝目を飾っています。
調教師はトッド・プレッチャー、騎手はハヴィエル・カステラノ。

もう一鞍がラ・プレヴォヤンテ・ハンディキャップ La Prevoyante H (芝GⅢ、3歳上牝、12ハロン)。1976年創設。レース名は競馬殿堂入りした名牝の名。カナダ産馬で、カナダでも競馬殿堂入りを果たしています。2歳時に12戦無敗、カナダとアメリカの2歳牝馬戦を総なめしましたが、ケンタッキー・オークスは2着。しかし4歳時にカルダー競馬場で突然死、同競馬場で彼女の名に因んで創設されたのがこの一戦です。冬場の競馬で本来は年明け早々に行われ、実際前回は2011年1月2日に行われました。しかし今年の秋/冬開催が例年より1か月早く終了することに伴い、今開催では12月中の施行が決まり、珍しくも年2回開催となっています。
今回の勝馬はカサブランカ・スマイル Casablanca Smile 。11頭立て。ペースをスローに落としての絶妙な逃げ切り勝ち。1馬身半差2着のチーター Cheetah (1番人気)も終始2番手を追走した馬だし、3着テゾーロ・ド・アモール Tesoro de Amor も3番手で追走した馬。後方待機組には手も足も出なかった競馬でした。カサブランカ・スマイルは、今年1月(11ヶ月前)のラ・プレヴォヤンテでも2着していたチリ産馬。去年のチリ・ダービー(チリのGⅠ)を制した牝馬で、チリではGⅠに2勝した実績があります。アメリカでのG戦は初勝利。
調教師はクロード・マゴーギー、騎手ハヴィエル・カステラノは、トロピカル・ターフのシルヴァー・メダリオンに続いてカルダー千穐楽のG戦ダブル達成です。

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