キーンランド閉幕と、サンタ・アニタの新開催

昨日の4月25日、キーンランドの春開催がフィナーレを迎えました。その一方で、先日幕を閉じたばかりのサンタ・アニタ競馬場が新たな開催をスタートさせています。そう、去年一杯で閉鎖されたハリウッド競馬場の春開催を引き継ぐもので、サンタ・アニタは一年中休み無くレースが行われることとなり、管理上の問題が出てきそうな気もします。

さて最初はキーンランド競馬場の春開催で組まれている最後のG戦、前日のビウィッチの牡馬版に相当するエルクホーン・ステークス Elkhorn S (芝GⅡ、4歳上、12ハロン)です。good の馬場に1頭が取り消して13頭が出走してきましたが、メンバー中唯一のGⅠ(カナダのノーザン・ダンサー・ターフ・ステークス)馬であるフォルテ・デイ・マルミ Forte Dei Marmi でさえ8番人気(11対1)という人気の割れよう。去年9月にケンタッキー・ターフ・カップ(芝GⅢ)を制したテメレーヌ Temeraine が9対2で僅かの差の1番人気に支持されていました。
レースは11対1のタテナム Tattenham が逃げ、テメレーヌは3番手から4番手を追走。直線、6番手に付けていた3番人気(7対1)のウォー・ダンサー War Dancer が抜け出して先頭に立ちましたが、前半は後方3番手で様子を見ていた11番人気(18対1)の伏兵ユニタリアン Unitarian が大外8番手で直線に向くと、ゴール前で鋭く伸びてウォー・ダンサーを1馬身4分の1差突き放す番狂わせです。更に1馬身4分の1差で人気のテメレーヌが3着に入りました。
トッド・プレッチャー厩舎、ハヴィエル・カステラノ騎乗のユニタリアン、勝たれて見ればこのコンビかという感じですが、G戦のみならずステークスも今回が初勝利。2月22日にフェア・グラウンズ・ハンデ(芝GⅡ)でステークスに初挑戦しましたが、7頭立ての7着と惨敗を喫していました。長距離が合っていると見えます。ニュージーランド・トロフィーなどG戦に3勝したエーシントップの近親ということも付け加えておきましょう。

一方サンタ・アニタ競馬場では去年までのハリウッド競馬場を引き継ぐ開催が始まりました。ハリウッドは春と秋の開催があり、G戦という視点から見れば去年は春21鞍、秋に12鞍で合計33鞍のG戦が行われました。(内GⅠは春6鞍、秋4鞍)
この数は年々減ってはいましたが、中には歴史あるGⅠ戦もあり、今後はサンタ・アニタに移行して施行されるというのが自然な発想なのでしょう。6月29日までの開催、この時期にサンタ・アニタで競馬が行われるのは史上初めてのことです。秋に付いては情報を得ていませんが、仮に秋もサンタ・アニタということになれば同競馬場は一年中開催されていることになり、当然ながらコースが荒れていくことが懸念されましょう。暫くはカリフォルニア州の競馬に対する姿勢が問われそうな気がします。
さてその初日に行われたG戦は、ラスト・タイクーン・ステークス Last Tycoon S (芝GⅢ、3歳上、9ハロン)一鞍。初めて聞くレース名で新設かと思いきや、どうやらハリウッドで行われてきたアングルウッド・ステークス Inglewood S が改名された模様。このレースは去年は施行されませんでしたが、2年振りに改名されての復活ということのようですね。firm の馬場に6頭が出走し、去年のトゥワイライト・ダービー(芝GⅡ)勝馬でハリウッド・ダービー(芝GⅠ)5着、前走アローワンス戦でも微差2着のルーキー・センセーション Rookie Sensation がイーヴンの1番人気。
3番人気(5対1)のファイア・ウィズ・ファイア Fire With Fire が絶妙なペースで逃げ、逃げ切り寸前の流れをゴール直前で頭差捉えたのが、何と後方2番手を進んでした最低人気(16対1)のクイック・カサブランカ Quick Casablanca 、キーンランド同様に大荒れの結果になってしまいました。最後方から内を衝いて追い込んだルーキー・センセーションは惜しくも首差の3着。上位5頭はほとんど差の無い大混戦です。
ロナルド・マッカナリー厩舎、ジョセフ・タラモ騎乗のチリ産馬クイック・カサブランカは、チリのエル・ダービー(GⅠ)とアルゼンチンのパレルモ競馬場でのGⅠ戦(2100メートル)の勝馬。去年11月にアケダクトの一般ステークスで5着、これが今期初戦で、それまでのクリストフ・クレメント厩舎からマッカナリー師の元に転じての初戦でもありました。これがアメリカでの初勝利。

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