今年最初のロンシャン

復活祭の日曜日、ロンシャン競馬場の平場シーズンが開幕しました。パターン・レースは2鞍。

最初はフランス・ダービーに向かう馬にとって最初のトライアルとなるラ・フォース賞 Prix la Force (GⅢ、3歳、2000メートル)。当初の予報より乾いた馬場は good の発表。
6頭が出走し、1対2の被った1番人気に支持されたのはジャン=クロード・ルジェ厩舎のボーヴォアール Beauvoir でした。2歳時に、また今シーズンも1戦して目下のところ負け知らずの2戦2勝が評価されたのでしょう。同厩のサン・ルー Saint Loup (15対1)はそのペースメーカーと考えられていました。

スタートすると先ず本命のボーヴォアールが飛び出しましたが、100ヤードほど進んだ時点で本来の逃げ馬サン・ルーが替ってやや強いペースでレースを引っ張ります。
直線、先行2頭がゴールを目指しますが、4番手に待機した2番人気(17対5)のサオノア Saonois が鋭く追い上げます。残り1ハロン、同馬の進路が塞がりましたが、残り50ヤードで隙間をこじ開けるように脚を伸ばした所がゴール。
3頭が横一線で入線し写真判定になりましたが、優勝はサオノア。短頭差2着に差し返したサン・ルー、更に短首差で本命ボーヴォアールの順で確定しました。

サオノアを調教するジャン=ピエール・ゴーヴァン師はリヨン近郊で35頭を管理する小さい厩舎、騎乗したアントワーヌ・アムラン騎手共々これまでで最も大きい勝利を掴みました。
同馬は2歳シーズンの終わりに2連勝、今期も前走カーニュ・シュル・メールのリステッド戦(ポリスマン賞、ポリトラック)に勝ってG戦に初挑戦。このあとはグレフュール賞、そして仏ダービーへと更なるレヴェルアップを狙います。

続いてはシーズン最初のGⅡ戦となるアルクール賞 Prix d’Harcourt (GⅡ、4歳上、2000メートル)。こちらも6頭立て。
ここはアラン・ド・ロワイヤー=デュプレ厩舎の2頭が人気を集めていました。イーヴンの1番人気はアガ・カーン所有のヴァダマール Vadamar 、42対10の2番人気に出走馬中唯一の牝馬ジォフラ Giofra 。前者にはクリストフ・ルメールが、後者にはマクシム・グィヨンが騎乗します。

レースは英国のクライヴ・コックス厩舎が送り込んだポエト Poet が逃げましたが、3番手を進んだジォフラが抜け出して楽勝。3馬身差2着に同厩のヴァダマールが入り、デュプレ厩舎のワン・ツー・フィニッシュです。3着は4馬身遅れてサガ・ドリーム Saga Dream 。逃げたポエトには馬場が乾き過ぎた不運もあり、最下位6着敗退。

勝ったジォフラは、これが未だ4戦目の4歳牝馬。前脚に難点があり、仕上げに時間が掛かった由。3歳の最後、10月にリステッド戦を楽勝した時点で、陣営は同馬のパターン・レース・クラスの能力を確信したそうです。大事に使われて行けば、古馬戦線の注目株に育つでしょう。
ロワイヤー=デュプレ師とグィヨン騎手は、この日行われたリステッドのフィンランド賞(1800メートル)をフェアリー・フェアー Fairly Fair で制し、ダブル達成です。

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