芝コースの長距離戦

残り2日となったキーンランドの春競馬、15日間の開催を締め括る二つのG戦は芝コースで行われる長距離戦です。先ず昨日の26日には牝馬によるビウィッチ・ステークス Bewitch S (芝GⅢ、4歳上牝、12ハロン)が行われました。
馬場は firm 、8頭が出走してきました。アメリカの芝コース長距離戦は数も少なく、馬の層も決して厚くはありません。海外から転戦して来た馬が活躍するケースが多いようです。

そのような状況下、8対5の1番人気に推されたのは、2010年の南アフリカ3歳牝馬チャンピオンに選ばれたブラジル産のヒア・トゥー・ウイン Here to Win 。前走2月25日にガルフストリームのザ・ヴェリー・ワン・ステークス(芝GⅢ、11ハロン)を伏兵(11対1)で制した馬、この時は前年のビウィッチ勝馬キルターナ Keertana と、今回も出走しているウッドフォード・ベル Woodford Belle を破っていました。
レースは5番枠から好スタートを切った2番人気(2対1)アッパーライン Upperline が逃げてスローペースに落とします。最初のスタンド前でシメリング・モーメント Shimmering Moment が替って先頭に立ち、続いてセナーダ Senada も2番手に上がります。アッパーラインは3番手に控え、前半抑えた本命ヒア・トゥー・ウインも4番手に上がる展開。
直線入口でセナーダが先頭に立って逃げ込みを図りますが、一旦は4番手に後退したアッパーラインが再び盛り返し、セナーダを外から交わすと、ウッドフォード・ベルの巻き返しを1馬身半差抑えて優勝。4分の3馬身差でセナーダが3着に踏み止まり、ヒア・トゥー・ウインは4着まで。
マイケル・スティダム調教師が管理、ジェームズ・グレアムが騎乗したアッパーラインは、去年秋キーンランドの一般ステークス(Dowager S)でセナーダの2着、今年3月末フェア・グラウンズの一般ステークス(Bayou H)でも2着と惜敗続きだった5歳馬。3歳時(2010年)にアーリントン・オークス(GⅢ)を制した馬で、昨夏ウッドバイン(カナダ)のポリトラック・コースでの一般ステークスに勝って以来の勝利となりました。

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