小厩舎の出世馬
三日連続パリ地区のG戦、昨日はサン=クルー競馬場が舞台でした。馬場状態は連続して very soft 。去年のヨーロッパは乾燥した春、一転して雨と肌寒い夏でした。私も現地で冷夏を体験しましたが、競馬関係者から聞こえてきたのは、春先は馬場が硬くて馬を仕上げるのに苦労したという話でしたね。
天皇賞のオルフェーヴルを例に引くまでもなく、固い馬場はサラブレッドの敵。とは言っても極端な重馬場では能力を発揮できない馬が多いのも事実でしょう。今週末は英国のクラシック第一弾が行われますが、各馬の仕上がり過程と馬場状態が結果を大きく左右しそうな予感がします。
それはさて置き、昨日のG戦はミュゲ賞 Prix du Muguet (GⅡ、4歳上、1600メートル)。馬場を嫌ってか1頭が取り消し、7頭立てで行われました。日本血統の馬は出ていません。
実績から去年のドーヴィルでカンセー賞(GⅢ)を制したジナバー Zinabaa が7対5の1番人気、同じ条件の前走エドモン・ブラン賞(GⅡ)2着のエヴァポレーション Evaporation が2番人気(14対5)、同3着のノー・リスク・アット・オール No Risk At All が3番人気(58対10)で続きます。
結果もほぼ人気通り。後方から追い込んだ本命ジナバーがノー・リスク・アット・オールを首差抑えて優勝、1馬身4分の3差3着にエヴァポレーション。2番人気と3番人気が入れ替わっただけの順当な結果に収まっています。
勝ったジナバーはエドモン・ブラン賞では4着でしたが、休み明け2戦目のここではG勝馬の意地を見せ付けた形。管理するマルセル・メイス調教師にとって、ジナバーはこれまでの苦楽を共にして来た友のような関係。2007年には一旦廃業したこともある師にとって、同馬は初めて大きなハンデ戦に勝った馬であり、最初のGⅢ制覇を実現させた友でもあります。
今回は未知の領域となるGⅡ勝ち。ジナバーの抱えていた脚部難を共に忍耐で克服しての栄誉でした。カンセー賞と同じ very soft という馬場が味方したとも言えるでしょうか。鞍上は昨夏のドーヴィルでも騎乗したヤニック・ルトンドゥール Yannick Letondeur 騎手。ここまで来たらGⅠを狙うしかないでしょう。5月27日のイスパハン賞を目指します。
まとめtyaiました【小厩舎の出世馬】
三日連続パリ地区のG戦、昨日はサン=クルー競馬場が舞台でした。馬場状態は連続してverysoft。去年のヨーロッパは乾燥した春、一転して雨と肌寒い夏でした。私も現地で冷夏を体験しま…